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549物語  作者: チイチイノファン
Chapter:Ⅵー分身マアムの事情
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悪魔の少女アカネ


イベント開催のタイミングでマスターとジルバの戦いが始まった。マァムの剣は懸賞品に賭けられる事になった。


マスターは胸を押さえ込み、額から汗がドバドバと流れる。


「しっかりしなさいマスター男でしょ!?」「お兄ちゃんなら出来るよ頑張って!」


魔法乙女達はこう励ますがマスターは緊張がなかなか治らなかった。


「ロロイは緊張していないのか?」

「緊張してないと言えば嘘になります。しかしマァムが懸賞品として賭けられて勝たない訳にもいかないでしょう」


ロロイは戦う気満々。流石は前世が騎士だっただけの事はあり、恐れよりもマァムを助けたい正義感が勝っていた。


「怖気づいて逃げればよかったものを。ここからは地獄のディストピアレースだ。覚悟は良いかガキ共」


ズズイっとジルバが凄みながら前に出る。


「私とマスターは負けぬ!マァム姫の為に!」

ここから先は地獄のゴシックレース。


マァムの剣が賭けられた戦いはここから始まった。


飛翔!戦いの空へ。


「君達がくれた翼だから僕は君達の為に戦う!」

「お供いたしますぞ!!」


マスターとロロイはイベントを走り出した。

勿論ジルバも。


「ククク小童がいきなり飛ばしおったな。私はガチャを引く事にしよう」


ジルバはガチャを引いた。

狙いは特典使い魔。


特典使い魔はイベントを走った際の得点が数百%に跳ね上がる。


なので高得点を狙いたいなら特典使い魔がオススメだ。


一方でいきなりイベントを走破しようとするマスター達だがガチャを引けなかったのには理由があった。


ーーー

マスターは今月分のお金が十万単位で引かれていた。


理由は原動機付自転車の他にその他合羽や鞄などを新調したからだ。


(お金使うのは厳しいからイベントを走り続けるしか術は無い!)


マスターはギルドで稼いだエレメントオーブと言う金貨で活力の大果実を大量に買い込み、ひたすらイベントを走り続けた。


イベントを走破中「ヤダヤダヤダ!!」と甲高い悲鳴がマスターの耳に入る。


マスターは「今女の子の悲鳴が…」

「マスター、他の事に構っている暇はございませんぞ」


マスターが辺りを見渡している時にロロイはこんなことを言う。


ロロイの心情、立ち止まってる時間を割くわけにいかない。


「さあ」とロロイが手を引こうとした。


すると『グヘヘへへぇいお嬢ちゃわわわわわぁ〜んこの俺達とランデブーしなああああぅい!??』と魔物達の不気味な奇声が轟くのだ。


「女の子が襲われている!」「ちょっと!」

マスターが別の方向へ転換しロロイが止めようとする。


「我らにはマァムを救うと言う急務があるのですぞ!」

「救いの鍵なら、困ってる人を助けなければいけないんだ!!」


マスターの睨んだ通り、妙齢の女性が魔物達に襲われていた。


見たところその女性は弱っていた。


「ウチのこと守ってよぉ…」

『けけけけ…美味しくいただいちゃうぞお〜♪』

魔物達がジリジリと少女に詰め寄る。


「やめろ!」『なんだてめえ!』

マスターがそれを食い止め、魔物達はギョッとマスター達を睨む。


見たところ貧弱な少年だったので魔物達はガハハと笑う。


『なんだ弱そうなお子ちゃまじゃねえか良いところなんだから邪魔すんなよな!』


「あ、あの子達は!」

その少女はマスター達に見覚えがあった。


「マスター君!ウチよアカネよ!この小汚い魔物達を退治してちょうだい!!」


その少女、アカネは手を振りながらマスター達をアピールした。


「こうなったらヤケだ!」

ロロイも足を止めてマスターに付き合う事にした。


叢雲ムラクモ!」『パレットガード!どこ狙ってやがる!』

マスターが先行するが魔物達は技を使って切り抜ける。


『所詮ガキの力なんて知れてるんだよ!「マスターに手出しはさせぬアサルトカッター!!」


ロロイ、刃の弾幕で魔物に斬り添える。


「面白くなってきたじゃない!」

アカネはマスター達の戦いぶりに釘付けになった。


『これでもくらえぇ!!』魔物達が反撃。マスターを捉えようとする。


「やはりマァムちゃんがいないと僕の力はその程度なのかっ!」

「マスター!」

ロロイがマスターを助けに行くが押し流され始め中々前に進めない。


「はーいはい交代ねー!!」そんな時アカネが前に出てマスターを救出しに向かった。


「助けようとした少女!」「男は黙ってみてなさい!」

ロロイが愚問するのをアカネは突っぱねる。


「パーティーのはじまりよ!悪魔の鉤裂かぎさき!!」

アカネは手から鉤爪を出し魔物達からマスターを救った。


「ありがとう…」「ウチのこと助けてくれたんでしょ?お互い様だよ」

とマスターとアカネ。


「マスターお知り合いですか?」「いや、僕は知らない。君は誰だい?」

マスターはアカネを知らないらしく、彼女に聞き出した。


「ひっどーい覚えてないの?同じ救いの鍵になろうとした同志じゃなーい」

とアカネが頬を膨らます。


「あ…」思い出した。一度だけ会ったことがあったっけ…ジルバラードに感動していたな。その後風の噂で悪魔達に喰われたと聞くけど…。


「悪魔達に喰われたと聞くけど…」「そんなインパクトのでかい死に方だったら普通覚えてるでしょ?」

とアカネはため息をつく。


「なぜ其方はピンピンしているのです?」

とロロイが聞き出す。


「ヘルズゲートでは向こうの世界とは直接関連してないのだから向こうの世界で八つ裂きにされようがここではピンピンしてるってわけ。でもやっぱり思うわ。ジルバラードを見たいってね…」


「良ければエスコートしますよ」

「行ければ苦労しないわよ。私は向こうでは喰われてるから行っちゃったら跡形もなく消滅するわ。それより貴方達、ジルバって男と勝負しているんでしょ?助けてくれた恩に私もついてってあげるけどどう?どう?」


チャラそうな女子だなとロロイは内心訝しみマスターに耳打ち。

「この子を頼りにしてよろしいのですか?」「でも、僕らがピンチの時助けてくれたから寧ろ渡に船だよ。共に戦おう」

とマスターはアカネに言った。


「そうこなくっちゃウチが新しいマスターよお姫様みたいに守ってよねー♪」

アカネはウインクした。

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