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549物語  作者: チイチイノファン
Chapter:Ⅵー分身マアムの事情
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過酷な精神修行

「これより精神修行をはじめるわ」

とアイランは杖を片手に持ちマァムを見据えた。


「精神修行てなんですか?」

「精神修行とは己の心の弱さを克服して精神面を強化する修行よ。貴女の潜在能力を高く見越しての修行なの。それには過酷な修行になる事も覚悟しておきなさい」


アイランは力強くこう放った。


(そうだよね私は心が弱いから精神面をより強くしないといけない。マスターさん達のお役に立つために!)

マァムは拳をギュッと握った。


「よろしくお願いします師匠!」

そしてマァムは意気込んだ。


「いい返事ね行くわよメダパーマ!」

アイランは呪文を唱えた。


メダパーマは強い幻覚や精神攻撃を与える呪文だ。


それはマァムの潜在能力を高く見越しての精神修行…。


しかしそれはマァムには負担の大き過ぎる修行である事は…まだアイランには知る由もなかった。


マァムは幻覚を見て違う記憶を見せられる事になった。


そこは日本のどこか。

(そうだ私は派遣社員として従事する事になってるんだった)

マァムはそう違う記憶を思い出した。


マァムの目の前には険しい表情をした母や姉がいた。


「ねえどこほっつき歩いてたの?正直に言いなさい」

何故か問い詰めてくる母や姉。


「うるさいなほっといてよ。それよりボクは就職するんだ!」

就職したことによって評価は変わるだろう。


そう思っていたが母や姉はこう詮索してきた。


「それは正社員なんでしょうね?派遣なんてふざけた事言わないでよ!?」

「なんでふざけてるんだ!仕事してるだけ立派だろ!」

売り喧嘩に買い喧嘩。マァムと家族は激しく言い争う。


「派遣はピンハネされて良く無いんだよ!ボーナスもないし!」

「正社員にならなきゃ安定しないよ!」

こんな言葉での攻撃を散々浴びる結果に終わった。


その記憶の中のマァムは即応予備自衛官にも通っていたがそこでもマァムは高いレベルを求められていた。


車を持つ事で高く評価されると思ったがそこでも「親分の顔に泥を塗るんじゃねえぞ!」と凄まれることになり、ある場面では「しんがりだろう!?ちゃんと出来るまで訓練しろ!」と就寝時間になるまで同じ即応の連中に煽られたり散々なパワハラを受けた。


それから本職の自衛官も教育に当たっていたがその当人もマァムを冷たくあしらった。


「普通の事がなんでお前は出来ないんだ?」

「いい歳して遊びも知らないなんてよ」

「異性と付き合ったことないのか?」

などなど、セクハラカスハラも散々受けた。


とそんな時、リーダーがこんな事を言ってきた。

「もうすぐお前の時代が来るぞ!」


しかしそれはフェイクだった。

正月休みの忘年会にこう言って無理矢理付き合わされた。


そう、即応予備自衛官は飲み会も強制なのだ。



しかしマァムの時代と言うが実質は違った。

マァムは車体のバンに押し込まれて帰ることになり、「恋人を紹介してやるからな!」と言われてもある皆が集まる状況だと「あのおっさんと付き合え!」と言われる始末。


自身の時代どころかますます不遇な立場に置かれたマァムはリーダーに対して不信感を募らせていった。


そして更に逆の立場にもならされる記憶を見せられた。


「その子は優秀な子ですよ。でも環境のせいでしょうね?」


とある問題のある幼児を児相の職員が知能検査をさせていたがその子が異常なほど高い数値を叩き出してしまった。


(本当にこの子は優秀なのかしら…)そう思ったマァムはその子を厳しめに躾けた。


しかしどう躾けても塾を受けさせても勉強も良くならず行動も改善しなかった。


夫は業を煮やし荒れ始める。酒やタバコ、ギャンブルにのめり込み、子供の出来の悪さをマァムに当たるようにもなっていった。


「コイツが出来悪いのもお前の育て方が悪いんだ!」

ドカドカとやられまくるマァム。


それは姉二人にも被害が及んだ。


それによってマァムもだんだんと荒れ始める事になるのだった。


「家庭が荒れてきたのもお前のせいなんだよ!」

マァムはその問題のある子に八つ当たりするようになった。


そしてペットにもネグレクトが及び、そのペットがガリガリになって必死に犬小屋から脱出しようとするまでいつの間にか追い込んでいた。


ーーーこうしたストレスを与えられ続けマァムの目つきは段々鋭くなっていく。


マスターは慌ててアイランを諌めはじめた。


「アイランもうやめてあげて!マァムのライフはとっくに0だよ!」

「この子は強いから厳しい修行が必要なのよ!貴方は黙ってみてなさい!」


頑固で厳しめのアイランはマスターの説得にも応じなかった。


その結果マァムの周囲から風が吹き出し、スカートやブレザーから5枚の絵がばら撒かれた。


それはビカーーーッと5色の光を放ちそこから5人の騎士が現れた。


赤、青、緑、白、紫色の5色の騎士達は「「マァム様をいじめるのはどこのどいつだ?」」

と目をギラギラさせながら声を低めた。


「こ…これは…」「大変だマァムを止めなきゃ!!」

アイランも事の重大さにようやく気づいた。

マスターの必死の叫びに応じて。


マァムは手を前につきかざし『私の眷属達よ。何もかも全て滅ぼしてしまいなさい』と唱えた。


「「仰せのままに…」」

5人、5色の騎士達はそう呼応し、暴れ狂い出した。

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