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他人が持つ力への憧れ……か

「真葵ちゃんの父親には俺からもよぉく話しておこう。俺にもかわいい孫がいるからなぁ。お前らの気持ちはよく分かる。被害届を出さねぇように頼んでみるからなぁ」

 

 小犬丸さんも力を持つ忍びの存在を話すつもりはなさそうだけど……

 これで良かったのかな……

 

「ありがとう……」

「もう二度と同じ過ちは犯さない……」


 忍び装束のおじいさん達は忍びの力を得るよりもお孫さんの方が大切みたいだ。


「そうかそうか。それじゃあ気晴らしに俺らの集落に遊びに来ねぇか?」


 小犬丸さん!?

 あそこは忍びの里なのに、いいの!?


「え? あなたの集落に?」

「気晴らし……でも俺達は犯罪者だから……」


「ははは。そんなんはかわいいもんだ」


「かわいい?」

「罪を犯したのに?」


「俺が今までしてきた事に比べりゃかわいいさ。二人は元気そうだからなぁ。雪かきでも手伝ってくれりゃ助かるんだが」


「雪かき? でも俺達は捕まるかもしれないし……」

「もし被害届を出されたら俺達を匿った罪であなたにまで迷惑がかかるかもしれない」


「ははは! 大丈夫だ。真葵ちゃんの父親は被害届なんか出さねぇさ。捕まるべきはお前らを手引きした奴だ」


「……じゃあ、あの般若の面の男は捕まるのか?」

「でもどこの誰かも分からないのにどうやって? それに……忍び込んで盗みをした孫の姿は防犯カメラに映っているし……被害届は出されるんじゃ……」


「ははは! さっきも話したが俺らは忍びの末裔として暮らしてきた。忍術は使えねぇが情報収集には長けてるんだ」


「忍びの末裔として暮らしてきた……?」

「……羨ましい……なんて……思ったらいけないな……もう忍びへの夢は諦めないと……」


「……その必要はねぇさ。俺にも分かるからなぁ。他人が持つ力を羨ましいと思う気持ちが。どんなに苦労しても手に入らねぇ物……周りと比べて非力な自分に劣等感を抱いて、心がすり減っていく。自分の無力さに絶望して……だが……だからこそ自分の持つ力を磨く事ができたんだ」


 小犬丸の里から出て繋ぐ者をしていた時の事かな?

 他の里出身の忍びは『怪力だけの小犬丸』ってバカにしているらしいけど……

 本当は真百合さんに近いくらいの感情を聞く強い力がある事を隠しているんだよね。

 

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