表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
315/333

真葵と小犬丸(5)

「ずっと不安だった……いつか真実を麦多に話すんが怖かった……だが麦多は全て知ってたんだ……俺は……それを知った時……死にたくなった……」


 小犬丸さんの震える声に胸が苦しくなるのを感じる。


「小犬丸さん……」


「情けなくて……申し訳なくて……生きてるんが嫌になったんだ。まさか幼い麦多が俺と婆さんを傷つけねぇように何も知らねぇ振りをしてたなんて……」


 ずっと守っていると思っていた麦多に守られていた……か。

 でも……


「……家族は……そういうものなんじゃないかな?」


「……え?」


「口に出さなくても助け合ったり支え合ったり……感情が戻ってからそれが分かるようになったの」


「……そうか……そうなんかも……しれねぇなぁ……」


「麦多は小犬丸さんが大好きだからあんな風にわがままを言ったり甘えたりするんだよね……羨ましいな」


「羨ましい?」


「私……お父さんに上手く甘えられないから……」


「……小田ちゃんも真葵ちゃんも不器用だからなぁ」


「駿河の脳を取り戻して……駿河の里に行ったら……麦多みたいに甘えてみようかな……」


「そうか……そりゃ小田ちゃんが喜ぶなぁ……」


「嫌がられないかな? 今までずっと生意気な態度ばかりだったから」


「そうか? 仲良しに見えたけどなぁ」


「仲良し?」


「そっくりな親子だ……」


「……あのひねくれ曲がった性格に?」


 ちょっと嫌かも……


「ははは! 小田ちゃんは優しい奴だ。本当は分かってるんだろ?」


「……うん」


「素直になってみろ。小田ちゃんは施設長だ。しかも滅びの力を使える……こんな言い方はよくねぇが……いつどうなるか分からねぇぞ。別れの時がいつかなんて誰にも分からねぇだろ?」


「……やっぱり施設長は危ないんだね」


「……はぁ。麦多も施設長になりてぇなんてなぁ……お互い心配は尽きねぇなぁ」


「……そうだね」


 腕が消滅しても施設はなくならない……

 覚醒する人がいる限り存在し続けるんだ。


「常に覚悟はしておけ……後悔しねぇようになぁ」


「……覚悟?」


「大切な存在を喪う覚悟だ。真葵ちゃんには滅びの力がある。その時に暴走しねぇようにしねぇと……駿河様みてぇに暴走したら……悔やんでも悔やみきれねぇ」


 小犬丸さんの言う通りだ……

 これが現実なんだね……

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ