つづられた鉄石心(2)
そこには、身に覚えのない私の話がつづられていた。
私が君に告白して付き合うことになった春。
会話の主導権は私がほとんど握っていたというデート時間。
私が押し花の栞を作ってプレゼントしたこと。
しかしながら、押し花が枯れていて君がゴミだと勘違いしたこと。そんな君が殴られたこと。
振られたと思った君が、他の子と付き合おうとしたこと。
それで私がさらに激怒して関係が悪化したこと。
ふたりの関係が回復しないまま、私が地元を出て疎遠になったことまで、経緯が丁寧に書かれてあった。
私ってキレるんだ。知らなかった。いつも君が先回りしてくれていたからか、怒った記憶がない。
〈押し花の栞をゴミだと言ってしばらくしたあと、きみに再会して、ぼくが間違っていたことに気づいた。謝ったけど連絡先はブロックされたままだったし、人伝に地元を出ることも聞いていた。だから会うことを二度と望まないのが、いちばんの謝罪だと思った〉
押し花の栞を作る話が軽く流されたとき、拒絶された気分になり悲しくなったのだ。いちどめの人生の私は君を憎んでいたかもしれない。
〈この人生では、星奈がぼくにしてくれたことを返したいと思った。もしもきみが、ぼくをいい恋人だと感じてくれていたら、それはきみが素晴らしい人なんだよ〉
……君がいい人なのだと思うけどね。だって押し花を枯らしたり怒ったり、君の知る私は器用なタイプではない。
〈それなのに押し花の栞を作るときみが言いだしたとき、取り乱して悪かった。今度は間違えたくないと思うばかりに拒んでしまった。きちんと清算したかったけれど、この人生にも終わりが近づいているみたいだ〉
終わる? 終わりたいわけではないの?
〈短い間だったけど楽しかった。いい人生だった。永遠に続けばいいと思うくらいには。ありがとう。どうかお元気で。願わくば、ぼくのことは忘れて幸せになってください。東真より〉
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Day24お題 タイムカプセル




