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夢のような心地がした
黄昏時、おまえの大事なものを返してもらう。
そんな声が真っ暗闇に響く――。
目を覚ました私は、まず寒気を覚えた。背中を流れる汗で体の芯から冷えているみたいだ。教師の声が聞こえてようやく、授業中に居眠りをしたのだと理解した。
君には悪夢を見たとしか話せなかった。私のなかでは気まずい関係継続中だったから。それでも、放課後は図書室でいっしょに本を読んだ。ふいに本から目を離すと、君がこっちを見つめていた。私も見つめると、「この間はごめん」と手を伸ばしてくる。それを受け止め、優しく握り返せば、自然に笑みがこぼれた。そんなのどかな時間は日没まで続き、君を最寄りのバス停まで見送った。
だから勘違いしてしまった。
君を見送ったのは、夢のなかの話だ。
今日、君は学校に来なかった。
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Day23お題 怪盗




