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3/7

一話目を読まれるようにしようとして心が折れた

 とりあえず、第一話をもっと読まれるものにしようと思った。


 人気作を読み漁って、冒頭一話目を研究する。


「なるほど。最初に主人公が何をするのかを、ちゃんと見せているんだ」


「ここで次の話への引きを作っているんだな」


 そんなことを考えながら、AIにも相談して、自分の第一話を何度も読み返した。


 そして――心が折れた。


「……弱いな」


 思っていた以上に、読者を引き込む力が弱かった。


 文章が下手とか。


 設定がつまらないとか。


 そういう、単純な話ではない。


 もっと根本的な問題だった。


 人気作では、第一話の最後に、主人公の「次の行動」が決まっている。


 新しい能力を手に入れる。


 強敵が現れる。


 行き先が決まる。


 新しい問題が起きる。


 形は違っても、読者に、


**「じゃあ、この先どうなるんだ?」**


 と思わせる何かが残っている。


 だから、そのまま次の話を開いてしまう。


 そこまで分かってから、改めて自分の第一話を読み返した。


 すると――嫌になるほど違いが見えた。


 私の第一話では、主人公は歩いている。


 困っている。


 新しい場所も見つけている。


 ちゃんと出来事は起きている。


 なのに――。


 読み終わっても、


**「で、次は?」**


 が残らない。


「……ここか」


 初めて、自分の第一話の問題がはっきり見えた気がした。


 私は、第一話の中で起きていることばかり考えていた。


 世界観を説明できているか。


 設定は伝わっているか。


 主人公の状況は分かるか。


 そんなことばかり気にしていた。


 でも、読者が知りたいのは、


**「分かった。その先は?」**


 なのだ。


 そう思ってから、もう一度、最初から読み直す。


「……ここも弱い」


 すると、今度は別の問題が見えてきた。


 一か所を直せば、別の問題が見つかる。


 説明を削れば、今度は情報が足りない。


 情報を足せば、説明臭くなる。


 キャラクターを立たせようとすれば、今度は話が進まなくなる。


 冒頭を直せば中盤が気になる。


 中盤を直せば、今度はラストが弱く見える。


 直しているはずなのに、直せば直すほど、自分の作品の弱さが見えてくる。


 正直、辛かった。


 最初は、第一話を少し良くすればいいと思っていた。


 でも、どうやら違った。


 私は今まで、


**「第一話を改善する」**


 つもりだった。


 けれど、本当に向き合わなければならなかったのは、


**「そもそも、この第一話には、続きを読ませる力があるのか?」**


 という、もっと根本的な問題だった。


 そして、ここまで見えてしまった以上――。


 もう、誤魔化すわけにはいかない。


 第一話を、最初の一行から分解してみる。


 どこで読者を引き込めていないのか。


 どこで「次」が消えているのか。


 人気作と比べて、何が足りないのか。


 たぶん、見たくなかった答えが出てくる。


 それでも――見るしかない。


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