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三番目の淫魔姫  作者: 素浪臼
CHAPTER Ⅰ Day One
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018 花三輪よれば姦しい ~Ring-a-Ring-o' Lilies~ 2

 フィリア、満三十九歳の春――お漏らしの危機は未だ継続中だった……いやロリなフィリアの実年齢の方はどうでもいいのだが、中身が成人男性のオレがこの年でお漏らしだなんて冗談じゃない!


(こっちだって冗談じゃないわよ。お漏らしだなんて……姉としての沽券に関わるのだから!)


(そーだそーだ! ほーにょープレイは時と場所と相手を選ばないといけなんだよー!)


(ちょっと、それ論点が違うわよ!?)


 

 ……っと雑音ノイズは放っておいて――水平に高速移動していたかと思いきや一転して、今度は縦方向に……上に向かっただと!?

 螺旋階段の空間の広がった中央を、飛ぶようにして急上昇して行き、あっという間に最上階に到着し――それは実際には瞬き十回ほどの僅かな時間だったのだろう。

 だがオレにはその何倍にも長く感じられた。そんなゴールが待ち遠しい短い疾走が終わり、オッパイ……じゃないホノカがとあるドアの――執務室の前でピタっと急停止した。


「フィリア様。到着しました――もう少しだけ堪えて下さい!」


 ホノカは尻尾の先端で起用にドアをノックしたと思いきや――返事を貰うより前に、尻尾でノブを回してドアを開き、執務室の中へと飛び込んだのだった。


「……ホノカ? え?……フィリア?――」


 室内で誰かに声を掛けられた気がしたが、今のフィリア(オレ)の意識と視界は一点だけに向けられている。ホノカに抱えられたまま、併設された御不浄トイレのドアの前に運ばれた。

 その前で降ろされたフィリア(オレ)は、急いでドアを開けようとしたら――


「フィリア様。私がお手伝いしま――」


「いらない!!」


 とんでもないことを言って一緒に入ろうとしたホノカを拒絶して、御不浄トイレの中へと転がり込むと同時に、即座にドアを乱暴に締めて鍵を掛けたのだった。



    ★★★LAST-PRINCESS or LUST-PRINCESS★★★



 ま……間に、合ったーーーーー!!――有難うホノカ、このお礼はいつか必ず、肉体的に!!!


 御不浄トイレの中はとても広かった。

 八畳間くらいあるだろうか。しかも内装は金銀細工を施された、まさに宮殿に相応しい豪華な造りで、中央に置かれた便器は蓋付きの箱型だったが、蓋を開けてみたら洋式のような構造になっていた……って悠長に解説なんかしてる場合じゃなかったーー!!


 急げ、早く!――この長ったらしい邪魔なスカートを捲って、次にフリルとレースとリボンで彩られた超恥ずいパンツの紐を引っ張って……あれっ外れないだと? 莫迦な!?

 このパンツは腰の両側で紐で結ばれている訳だが……目覚めた直後に穿いていたパンツは瞬間脱着キャストオフ出来たのに、何故出来ないんだ?――って、よく見たらこれ蝶結びじゃないぞ、どうなってんだよ?


(ホノカが悪戯したんでしょうけど――まったく仕方のないコね)


 なんだとぉ!? あの駄蛇めぇ許さんぞ……さっきの感謝は取り消し! それどころかお礼として後で絶対ゼッテーシメてやる! 褥台ベッドの上でひぃひぃ啼かしてやるからな!!――いやそんなことより、これどーやって外すんだよ?


(それ本結びみたいね――安心なさい。玉をほぐせば簡単に外れる筈よ)


 そ、そうかサンクス――ぐっ、これ凄く固いぞ……尿意が、土手の堤防が、決壊がもうすぐ……いや焦るなオレ!


(あはっ……この結び目を解くことができた者こそ、この魔界パンデモニウムの魔王になるであろうー、みたいなー?)


 ええい五月蠅い! 集中出来ないだろーが――ここはそう慎重に、慎重に……おおっ、やった、外れたぞ!

 ……ってヤバい、もう片方の分も残っていたか!

 

 ふぅー、もう一方もなんとか外れて――なかった! 

 そこにガーターベルトのベルトが邪魔して、パンツの紐が抜けない! やっぱパンツはガーターベルトの上に穿くべきだったんだよ! 

 あの駄蛇っ子めぇ、後で絶対ゼッテー(以下略)……とぼやいている場合ではない。紐を引っ張って抜くのに成功すると、パンツがパサッと足元に落ちた。

 で次は……ええいっ、スカートが邪魔くさいな!


(あのねー、裾を持ち上げて顎で挟むといいんだよー)


「おう、挟めばいいんだな? よしっと――」


 言われたとおりに、スカートの裾を引っ張って顎で挟む。

 はーーっ、なんとか間に合った!

 便器の前に立ったオレは、それ・・を両手で持って構えて、膀胱の栓を緩め……。


(……ってちょっと待ちなさい! 貴女あなたナニをやっているの!?)


「――?」


 ナニをってマイサンをだな……ってコレ、マイサンじゃない!?――なんてこった。いつの間にかフィリア(オレ)の股間にはマイサン二世が陣取ポジっていたのだ……でそれを前世の癖で無意識に構えてしまっていたのだ。


(『いつの間にか』って――白々しいなぁ……自分でやったんでしょー?)


(そんな冷静なツッコミをしている場合じゃないでしょ! いいから早く座って、早く!!)


(その前に便座を降ろしてー!)


 お、おう――よし、座ったぞ!


(巫山戯てるの? 逆よ、体の向きが逆!)


(顎のスカートも外さないように気を付けてね!)


(あと尻尾も上に挙げなさい!)


 便座よし、スカートよし、尻尾よし、姿勢よし……そして全てのチェックを終えた瞬間――膀胱が解放され、鉄砲水のように雫が一気に放出されたのだった!



    ★★★LAST-PRINCESS or LUST-PRINCESS★★★



 はぁ~~っ……不毛の土手の裂け目からジョボジョボと流れ出るそれを眺めつつ――「ホントにオレは女なってしまったのだ」と、深いため息と共に本日何度目かの実感を抱いたのだった。

 魔族デーモニヌの新陳代謝が極端に遅い一方で――女体のことはよく分からないけど……どうやら膀胱の限界だけは人間ニンゲンと大差なさそうだな。

 んっ、ん……っと、やっと奔流が終わったようだ。


(横にある操作盤の膣洗浄ビデボタンを押しなさい)


 ボタン?――ほう、これウォシュレ……じゃなかったシャワートイレだったのか。ボタンをポチっと……うおっ、おまけに温水だとか。温いのぉ~――んっ、あっ、これ……ちょっと、いや、かなり……気持ち、いい……。

 あっ、あんっ……因みにウォ●ュ●ットはT●T●の商標なので、一般名詞として使ってはいけないんだぞ(これ豆な!)……んっ、ぃくっ……。


発情サカるのは後にしてちょうだい――アソコを洗ったら、巻紙ペーパーで拭いて)


(そこデリケートなトコなんだから、丁寧にやさしーく拭いてねー)


 オーケーオーケー、巻紙ペーパーね。丁寧に優しく拭き拭きっと――んっ、あっ、これ(以下略)。

 あれっ? よく考えてみたらこの体フィリア大事なところデリケードゾーン――つまりマイドーターに、今初めて触れたんだな……。


(最後は流して。これで終了よ)


 流す?――おっ、これって水洗式なんだな。ボタンをポチっと……。

 この世界ってファンタジーのクセにエラい文化的だな。水洗式で、シャワー付きで、温水で、巻紙ペーパーもあるとか――これで便座に暖房が付いていて、さらに下から温風が吹いたら完璧だったのだが……。

 


 はぁ~~っ……疲れた――


(まったくよ。次からは気を付けなさいよ)


(あと助けてあげたんだから、カンシャの一言があってもいいと思うんだけどなー?)


 っさいなぁ……あー、はいはい。ありがと、ありがと。次? 分かってるさ……オレは同じ過ちは犯さない男だぜ。


(今は立派な女のコだけどー!)


 ぐはっ……!


(まっ、それは兎も角……ところで――)


(あたしたちの声、バッチリ聞こえているよねー?)


 …………さて放流作業も無事終わった訳だし、足元に落ちているパンツを拾って、穿いてっと――おっと、今度はちゃんとガーターベルトが下で、パンツを上にして穿かないとな。


(……もしもーし?)


 パンツの紐は蝶結びにしてっと。あとマイサン二世を股間にポジって……じゃなくて腰にグルっと巻いて――


(もしかして、この期に及んで聞こえてないフリするワケ?)


 スカートを降ろして皺にならないように整えて……よしっ完璧。ゴスロリ美少女フィリアちゃん、ふっかーつ!!


(待ちなさい!――その前に手を洗いなさい)


 おっ、そうだったな……。


(備え付けタオルで手を拭くのも忘れないでよ)


 わーてる、わーてるって!


(…………)


(…………)


 …………。


(ところで……デザートのフローズンヨーグルトおいしかったよねー?)


 そうそう! あれはなかなかの絶品だった!! もう毎日でも食べたいぞ――前世でもあそこまで美味しいスイーツは食べたことがないぞ……って記憶が無いけどな。


(往生際の悪いヒトね。無視するの止めて下さらない?)


 …………。


(ミルクもおいしかったよねー?)


 ああ、あれは美味かったぞ! 夢中になってつい二杯も飲んでしまったが……思えばあの時、一杯で止めておけば尿意のピンチも遅くなったかも知れないんだよなぁ――


(因みにアレ、搾りたて一〇〇百分率ペルケントゥム精液ザーメンを濃縮還元したものなのよ)


 な、な、な、なんですとーーーーーー!! 

 リ、リバース!……ってもう消化されてる!?


(うっそぴょーん!)


 ほっ……なんだ、ウソなのか…………。


(…………)


(…………)


 …………。


(もういい加減観念なさい……床に正座!)


(あたしたちとちょっと楽しいお話ガールズトーク、しよーねー?)


(返事は!?)


 はっ、了解しましたイエス・マム!――はぁー、ついに姦しい雑音ノイズたちと直接対話をするハメになってしまったようだ。あー、マジ面倒臭い……あとさ一ついいかな? 御不浄トイレの床に正座じゃなくて、せめて便座に座らせてくれない?

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