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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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995/3917

995:お礼をさせてもらおう。

 まぁ行くって言っても、別に散った訳じゃないからすぐそこなんだけど。


「失礼します。ジルさん、ちょっと良いですか?」


 視界には入ってるだろうし入ってなくてもちゃんと察知してるだろうけど、一応声はかけてから接近しよう。

 忍び寄って反射的に撃墜とかされたら笑えないし。


 私自身は痛いとか思う暇もないだろうけど、ジルさんが叱られたりしたら申し訳ないもんね。



 いつも通り無言で無表情なままだけど、こっちを向いてくれたから大丈夫だな。


「中にいる間、ポチと遊んでてくれてありがとうございました」


 む、静かに首を振られた。

 「仕事ですから気にしないでください」なのか、「自分がポチさんと遊びたかっただけです」なのか。

 まぁどっちだとしても問題は無いな。


 ……どうでも良いけど他の部分は微動だにせずに首だけを動かされると、なんか大昔のロボットみたいな感じがするな。

 無駄な所で体の制御力を発揮しないでほしい。

 いや、実際のところNPCの人なんだから、機械制御には違いないんだろうけどさ。



「お礼をしたいので、少し動かないでいてもらって良いですか?」


 ……さっきと同じ動きが返ってきた。

 動くぞって事じゃないだろうし、お礼は必要無いって事だろうか。


 んー、どうしたものか。

 あ、そうだ。



「どうしましょう」


 困った時は上司に相談だ。

 私の上司じゃないけど。


「うむ。ジル、遠慮せず頂いておくが良い」


 良し。

 流石アリア様、言いたいことをきっちり察してくれた。


 ジルさん、「そう言われたら仕方ないですね」って感じで、こっちに正対して気を付けの姿勢になってくれた。

 もっとリラックスしてほしいところだけど、まぁ良いか。



「それじゃ、ありがとうございましたーって事で」


 顔の前に行ってぺこりとお辞儀してから、ふーっと吹いて治療を開始。


 思いっきり動いてたっていうか跳び回ってたし、いっそ全体を吹いて回るか。

 ちょっと強めに吹きながら、くるくるとらせん状に下まで降りて行けば良いだろう。



 ……私のサイズから見ても疲れてる気配は見えないし、汗一つかいた形跡もないっぽいから、大丈夫だってのは本当なんだろうな。

 まぁそうだとしても普通に気持ち良いらしいから、疲れたとかは関係無く吹いておくだけでもお礼にはなるだろう。

 やっておいて損は無いし、恩は返すものだし。


 アリア様ももっと返させてくれないかなって思ったけど、良く考えたらついさっき、また手を借りてしまった。

 別に気にしてないだろうけど。




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