992:激しく遊ぼう。
おや、いつの間にかシルクも貰ってたっぽい。
なんかちょっと口が動いてる。
両手は塞がってるし、直接口に入れてもらったのかな?
「……そろそろ行きませんか?」
「うむ、それもそうだな」
自分が野菜を食べる姿を楽しげに観察してくるアリア様に、いつまでも見てるんじゃないよとツッコむアヤメさん。
「残念です」
「なんでだよ……」
なんかシャルロットさんという思わぬ所からの発言に、アヤメさんが微妙にげんなりしてる。
まぁ同スケールとはいっても、ウサ耳な時点でなんか似合うのは事実だと思うよ。
「では、またのお越しを」
「うむ」
出口のドアを挟んでジェイさんとディーさんが立ち、開かれたドアからアリア様を先頭に外へぞろぞろと。
今更だけど、最重要人物が先頭ってのもどうなんだろう。
まぁ研究所の敷地内ならランディさん達が居るから、おかしな人が待ち伏せてるなんて事は無いか。
今はアリア様が中に居るんだから、普段ならスルーする不法侵入者もちゃんと逮捕するだろうし。
……というか建物を出ても、塀の内側はジェイさんの体内って言っても過言じゃなさそうだしなぁ。
ここでアリア様に危害を加えようものなら、一切の容赦がない「お仕置き」の餌食になるだけだろう。
いや、っていうか「コレットさんが居る」の一言で終わりか。
「おお、楽しそうだな」
「ポチちゃん凄いなー」
ん?
なんか前から感心した様な声が。
ポチが何をやってると言うのだ。
……なんだあれ。
入る時には無かった平行な二枚の壁の間で、ジルさんとポチが凄いスピードでフリスビーらしきものを飛ばしあってる。
止まってるタイミングが殆ど無くてよく見えないけど、あれは木のお皿かな?
ポチ、空中で口でキャッチしてからそのままクルっと回って、飛んで来た勢いも利用してジルさんの方に投げ返してるのか。
あんな器用な真似も出来たんだな……
「ほう。遊びとはいえ、中々やるじゃねぇか」
おや、珍しくジョージさんが普通に褒めてくれた。
でもあれ、中々ってレベルじゃないと思うんだ。
【妖精】の体は問題外として、普通の体でやっても一回もキャッチできる気がしないよ。
というかキャッチ以前に、飛んで来たって反応する頃には後ろの壁に当たってそう。
「いやぁ、ポチちゃん強いですね。反応が凄く速いです」
「いやぁ、ポチちゃん強いですね。スタミナも切れる様子がありませんね」
おや双子さん……はどこに出てきた?
あぁ、アリア様の所か。
だから半端に敬語だったのかな。




