983:関節で吸収しよう。
「ねーねー」
「んー?」
「それ、喋れないって意味では走るのと変わってなくないかな?」
あ、確かに。
「まー声は揺れるだろうけど、まだマシじゃないかなー?」
お姉ちゃんのツッコミに、エリちゃんが台車を押し続けながら答える。
落ちない事とやっぱり揺れるって事は解ったし、もう良いんじゃない?
「あ、これなら頑張れば喋れなくもないですよ」
「お、ほんとだー」
「揺れ方に慣れさえすれば、ある程度は衝撃を吸収出来ますので」
おお、多少の違和感は有るけど、ちゃんと聞き取れる。
膝とかを使って揺れを軽減してるのか。
「でもそれ、やり過ぎると膝とかに悪そうだねー」
「いや、健康面はそんなもんに乗ってる時点でダメなんじゃないか……?」
うん、まぁそういう気はする。
なんだっけ、振動障害?
工事現場とかで使う、高速で振動する道具を使い続けてたりで起きちゃうらしいやつ。
ああいうのも有るみたいだし。
……いや、別に日常的に長時間乗り続けるわけじゃないし、そこまでにはならないだろうけど。
「まぁ乗るのは少しの間だけですし、こちらには色々な回復手段も有りますから」
あぁ、それもそうか。
多少のダメージどころか、極端な例だと翅や腕が無くなっても一瞬で生やせたりするもんなぁ。
流石にそこまでの威力となると一般人には無理だろうけど、色々と併用したり時間をかけたりすれば問題無く治療できそうだし。
一発で治すのに比べれば、その間は痛いし不自由だろうけどそこは仕方ないだろう。
そんなホイホイ手を借りられる相手じゃないし。
……ないよね?
まぁジョージさんやコレットさんみたいな偉い人じゃなくても、民間のNPCの人達にも高レベルの治療術者は居そうだよね。
その分結構なお金を取られる可能性はあるけど、そこは仕方ないだろう。
……最悪の場合、デスペナ覚悟で死に戻れば無傷の状態で復活できるしね。
【妖精】はペナルティがないから、実際それが一番手っ取り早いってのは酷い話だと思う。
いや、そもそもダメージだけ負うって方が少ないんだけどさ。
何かにぶつかったら大抵即死するし、一発じゃなかったとしても結局その後墜落したりで死んじゃうし。




