980:揺れに耐えよう。
ジェイさんに胴体を支えられたまま、トコトッと音を立てて走るシャルロットさん。
あれって今は小さいからあんな音だけど、本来は地響き付きの重低音なんだろうなぁ。
というかレティさん、律儀にずっと歩いてなくて良いんじゃないかな。
一旦横に外れておいて、補助が無くなってから戻れば良いだろうに。
いや、レティさんの事だからそのくらいは解ってて、あえてそのまま歩いてるんだろうけど。
「そろそろ大丈夫かしら?」
「はい、恐らくは」
「それじゃ、前に進んだら外れるわね」
「はい。ありがとうございました」
「うふふ。どういたしまして」
お、少し浮いた状態からちゃんと自分の足で立つ高さに下ろされた。
足への負荷が変わったからか一瞬少し揺れたけど、ちゃんと走れてるみたいだな。
シャルロットさんが少し速度を上げて前進を始めると、ジェイさんの触手が体から離れてにゅるっと引っ込んでいった。
便利なもんだなぁ。
なりたいとは思わないけど。
「ふむっ、うぅっ、これっ、はっ」
……支えが無くなったら胴体の揺れが一気に激しくなったな。
シャルロットさん、上手く喋れてないぞ。
「大丈夫ですか?」
「んまっ、あなんっ、とかっ」
「全然大丈夫そうに聞こえないな」
「まぁ耐えられはするって事じゃない?」
アヤメさんのツッコミに軽くフォローしておく。
うん、気持ち悪くなってたりはしないっぽいし、話しづらいだけなのかもしれない。
っていうか後ろのぴーちゃん、揺れに合わせてぴゃっぴゃ言ってて楽しそうだな。
「しかしぴーちゃん、余裕だな」
アヤメさんも同じ事を思ったらしい。
「あー、まぁ元々凄い速さで飛べる子だしねぇ。アクロバット飛行とかもお手の物なんじゃない?」
「ぴゃー」
あ、お返事が返ってきた。
あれは同意の声だな。
凄い揺れはしても、あのくらいの動きなら慣れてるから問題無いよーって事なんだろう。
……しかしすぐ後ろで元気にはしゃがれてて、うるさくなければ良いんだけど。
とりあえず不快そうな顔はしてないから、まぁ大丈夫だろう。
むしろ楽しそうだし、きっと問題無いはずだ。うん。




