977:試す場所を提供しよう。
「では歩いてみます…… おや?」
ん?
あ、なんかまたジェイさんが生えてきて、笑顔でレティさんに手招きしてる。
今度は何だ?
「あぁ、助かります」
どうやらレティさんには通じたらしい。
……あ、なるほど。
ジェイさんの足下、よく見たらルームランナーみたいに床が動いてる。
いくら少し広いとは言っても、普通に歩いてたらすぐに壁に着いちゃうもんね。
というかあそこ、さっきまで崖というか吹き抜けだった場所だな。
宙にせり出す形で拡張したのか。
……いや、あれ転んだりして流されたら、そのまま端っこから転落するのでは。
まぁ落ちそうになったら対応してくれるだろうし、その辺の心配は要らないか。
「あれが出来るんだったら、元のサイズだった時から走る訓練も出来たんじゃないのか?」
「流石にあのサイズで丁度良い様に調整するのは難しかったんじゃない? スペースの問題も有るから、ちょっと間違えるだけで壁に突っ込みそうだし」
「あぁ……」
あと一応黙っておくけど、体重の関係で衝撃も相当なものだろうし。
いや、ジェイさんならそこは大丈夫かもしれないけど。
というか、私が挙げた問題も大丈夫なのかもしれないけど。
でも何も問題無いならやってるだろうし、何かは有るんだろうな。
「では、いつでも横にどうぞ」
レティさんが動く足場の上で歩きながら、シャルロットさんに微笑む。
「はい。ではぴーちゃんさん、動きますよ」
「ぴっ」
おお、まだ歩いてるだけだけど揺れる揺れる。
普通だと振り落とされてもおかしくないくらいだな。
あ、でもぴーちゃんは楽しそうだな。
まぁ落ちる心配も無いんだから何も怖くないか。
「……なぁ」
「ん?」
なんかアヤメさんが怪訝な顔で、小さく声をかけてきた。
「あれ、レティ要るか?」
「……まぁ、一応?」
うん、でも言われてみれば確かに。
ジェイさんが床を動かすのに付いていければ十分って事だし、別に横で歩いてなくても良い気もする。




