964:作業に没頭しよう。
……まぁ、自分が諦めて「はい」って言ってるんだから、仕方ないんだけど。
多分本気で嫌って言えば、どれも普通に引き下がってくれるんだろうし。
でも、どれも微妙に断りづらいんだよなぁ。
言ってくるのが偉い上に恩の有るアリア様だったり、断ったら泣きそうな顔する子供だったりだし。
いや、シルクの方は見た目は子供ではあっても、実年齢は解らないんだけど。
もしかしたらあそこで成長が終わってるとか、めっちゃ成長が遅い種族って可能性も有るし。
……というか、そもそも幽霊に近い種族だった様な気もするし。
うん、まぁその辺は考えても仕方ないし、気にしないでおこう。
しかしアリア様、モフりに行く口実かと思ったら真面目にブラッシングしてるな。
たまにくっついたりはしてるけど、それで乱れたのもきっちり直していってるっぽい。
「うーむ」
ん、なんか唸ったぞ。
お姉ちゃんが反応して顔を上げたな。
「どうかしましたか?」
「いや、何やら少し楽しくなってきた」
「あー、解ります解ります」
あー。
お姉ちゃん、なんか地味な作業始めたら没頭したりするもんなぁ。
学校の大掃除の時に隙間に詰まった埃を見つけて、なんかそのまま二時間くらいそこら中ほじくってた事も有ったし。
あれ、止めなかったらいつまでやってたんだろうな……
せっかく外では評判良いんだから、あんまり奇行に走るのは止めておいた方が良いと思う。
いや、綺麗にするのは良い事だけどさ。
しかし、別に何か急ぐ用事が有るわけじゃないとは言っても、こんな時間帯に延々とやり続ける訳にもいかないんじゃなかろうか。
元々ここに来るのも大分遅かったし。
これも適当な所で止めた方が良いかもしれないな。
まぁ放っといても誰かが言うだろうけど。




