962:勝手にモフろう。
「おー、整えたら結構ふかふかだね」
「遠目では判りづらいですが、馬も意外と毛は長いんですよね」
ほー。
確かに写真とかで見る馬って、なんか鬣とかしっぽくらいしか体毛のイメージが無いなぁ。
いや、『長い』体毛の、か。
色んな模様が有るんだし、あれ全部毛の色で出来た模様なんだから体毛は有るに決まってるよね。
「体にぴったりくっつく向きで生えてるから、あんまり目立たないだけかー」
「今の私もそうですが、種類によっては結構判りやすい子も居るみたいですけどね」
ああ、確かに足周りはふっさふさだったね。
そういえば、なんかお腹回りがモフモフな感じの写真も見た事が有った気がする。
あんまり見ないだけで、品種や手入れ次第なんだろうな。
……いや、そもそも日常生活で馬を見る機会自体が少ないけど。
「んー……」
シャルロットさんの背中をスイスイ整えながら、何やら小さい声が漏れている。
あれは何か悪い事を考えてる顔だな?
「もふー」
「ふわっ……」
いや、なに顔から突っ込んでるんだ。
……うん、私も珠ちゃんとかにやってたけどさ。
そこ、さっき土足で歩いてたとこでしょうに。
……どうでも良いけど驚いたシャルロットさんの声が、なんか擬音っぽかったな。
いや、本当にどうでも良いし本人はそれどころじゃなさそうだけど。
「ちょっとくすぐったいのですが……」
「そんな遠慮せずに、振り落としちゃって良いと思うよ」
「いえ、流石にそれは……」
アヤメさんが過激なツッコミを薦めてるけど、今は足場が有るから別に落ちないよね。
動かし方次第で、吹っ飛ばされはするかもしれないけど。
……まぁうん、他人の体にいきなり顔を埋める様な人は、吹っ飛ばされても仕方ない気もするけどさ。
馬の部分とはいえ、あそこもシャルロットさんの一部なんだし。
でもまぁ、なんか気持ちは解る。
目の前に有るモフモフは堪能したいものだよね。
問題は無断って事だな。
お願いしたら「良いですよ」って言ってくれそうだし、ちゃんと同意は得てからにしようね。
下手したら同性でもセクハラ扱いされるぞ。




