961:道具で整えよう。
「あ」
ん?
階段を降りてる最中に、何かを思い出したみたいに振り向いた。
あぁ、土とかは落としてあるとは言っても土足で背中を歩いたから、一応払って綺麗にしてるのか。
「ミヤコちゃんミヤコちゃん」
「はい?」
……なんかお姉ちゃんの後ろから新しいジェイさんが生えてきた。
何をするつもりだ?
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございますー」
何か受け取ったな。
えーと…… あれは、お手入れ用のブラシかな?
けっこう大き目な本体の背中に、手を通すための革ベルトっぽい物が付いてる。
遠くから見たら黒板消しみたいな形してるな……
右手にはめてから毛先を触ってみてるけど、見た感じ結構硬そうだな。
皮は分厚いみたいな事言ってたし、あれくらいで丁度良いんだろうか。
「おー、綺麗に整う。あ、痛くない?」
「はい、大丈夫です。どちらかと言うと、刺激が気持ち良いですね」
「それじゃ遠慮なくわしゃわしゃするね」
いや、わしゃわしゃしたら乱れちゃうぞ、お姉ちゃん。
まぁ丁度良いなら良かった…… ってのは良いとして、だ。
カトリーヌさん、今のは「刺激が『丁度良くて』気持ち良い」、だからね。
恐らくだけど。
別に同士とかそういうのじゃないから、反応しなくて良いんだぞ。
まぁ解っててのツッコミ待ちだろうから、放っておこう。
こっちが気付いたのは解ってるだろうけど、スルーされたらされたで喜ぶ人だし。




