958:横を通ろう。
「では、とりあえず一通りしまっておくとしましょう」
「何か手伝おうか?」
「いえ…… そうですね」
そうそう、遠慮しなくて良いのだ。
なんせ相手はお姉ちゃんだし。
いや、身内って立場だから言えるセリフってだけだけど。
「では、後ろから渡していただけますか? 捻りっぱなしというのも辛いので」
「はいはーい、任せてー」
あー。
荷台、真後ろだもんなぁ。
「靴、脱いだ方が良いよね?」
「あ、大丈夫ですよ。払えば済みますし、多少の事では痛くありませんから」
あー、普通のサイズの馬でも結構皮膚は分厚いって言うもんね。
ん、でもなんか、我慢してるだけで意外と痛いのかもしれないんだっけ?
実際の所は聞けないから判らないとしか言えないみたいだけど、まぁ今のシャルロットさんは痛くないって言ってるんだから、ここでは何の問題も無いか。
そもそもあのサイズなら、叩かれたとしても普通の十分の一くらいの威力になりそうだしね。
「肩、借りるね」
「はい。気を付けてくださいね」
シャルロットさんの肩に手を置いて、慎重に横を通過していくお姉ちゃん。
正面から乗るとなると、迂回しないといけないからちょっと危なそうだなぁ。
三階くらいの高さで、しかも外に向けて下ってる足場だし。
もし足を滑らせたとしてもジェイさんが受け止めてくれるだろうとは言っても、怖いものは怖いよね。
……お姉ちゃん、めーちゃんに登る時にもやらかしてるもんなぁ。
あっちは低いから油断してたのも有るだろうけど。
あ、でも少し滑ったくらいなら、シャルロットさんが捕まえてくれるか。
一応あの人、元は一人で大型の敵と戦ってた様な近接職の人なんだから、普通以上の腕力は有るだろうしね。




