957:開けるか試してみよう。
「ところでもしかすると、そちらのメニューからでも開けるのではありませんか?」
「ん? ……あ、本当に開ける……し中身も見られるな」
シャルロットさんの問いにアヤメさんが確認して、どうかと思う事実が出てきた。
「プライバシーも何も有ったもんじゃないねぇ」
「いや、それは今更だろ」
まぁ確かに、他の情報も全部預けちゃってる訳だしなぁ。
元々隠さない人にとっては別に気にならないだろうけど。
「とはいえ隠すような物も有りませんし、有ったとしても手元に置いておけば良いだけですから」
ぽむぽむとお腹のでっかいお口を叩いてるけど、そこは後ろの箱を叩くところだと思うよ。
ハムちゃんみたいに取っておける訳じゃないでしょうに。
「ご飯を隠しておいて、そのまま忘れて腐らせてしまうかもしれませんしね」
「いや、ハムスターとかじゃないんだから」
あ、シャルロットさん流の冗談だったのか。
ペットっていう自虐ネタも入ってる気がするけど。
……ん?
「そういえばお姉ちゃんも、こないだ戸棚に」
「雪ちゃん」
「はい」
黙らされてしまった。
別にどうでもいい事だから良いけど。
「しかしこれ、こっち側としては便利過ぎるんじゃないかな」
アヤメさん、試しに開いて中の物を触ってるのかな。
「流石に何か制限が有るのでは? 開くのは私の近くでしか出来ないとか、そういった」
「そうかもな。また今度試してみようか」
あー、確かに制限が無かったら、二手に別れれば凄い便利になっちゃうな。
手に持てるサイズだったら距離関係無しに一瞬で輸送できちゃうし。
……来るかと思ったけど、チュートリアル王女様は出てこなかったな。
試すって言ってるし、そこまでは説明の必要も無いって事かな?
うん、微妙に失礼っぽい呼び方で連想するのはやめておこう。
口に出さなくても察知しそうな人たちが周りに一杯居るし。
怒るとまでは行かなくても、ジェイさん辺りに変なちょっかい出されそうで怖いもんね。




