952:満タンにしてみよう。
「別に困りゃしないから、我慢しなくても良いよ?」
「んぃ」
口は動かさない様にしてるからか、なんか可愛らしい返事になったな。
「お、光ってきた…… なんか本当に燃料ゲージみたいだな」
あー、確かに。
魔力を流し込んでるんだろうけど、なんか印の下から上に向かってちょっとずつ光る範囲が広がってる。
あれ、流すのをやめたらちょっとずつ下がって行くんだろうな。
「よし、満タン……かは判らんけど全体に広がったな。離れるよ」
最後にコンコンと鎖骨をノックして、安全な位置に離れて行った。
別に合図しなくても、離れれば見えるんじゃないかな?
「有難う御座いました」
「それ、本当に持続してるのか?」
「はい。直接触れられている時には及びませんが、非常に心地良いですね」
「あ、やっぱ結構違うものなの?」
「そうですね。ゴロゴロとすり寄る猫ちゃんの気持ちが解った気がします」
いや、猫ちゃんは充電出来ないと思うよ。
そういう事を言ってないのは解るけど。
「実際、触られてるとどんな感じなの?」
「うーん…… 何と言いますか、説明しにくいですね」
なんかシルクがシャルロットさんの言葉に小さく頷いてる。
わかるーって感じなのか知らないけど、どっちにしろ君は喋れないでしょうに。
「冷房で冷え切った体で、真夏の車のシートに座った時の様な……」
「なんか解る様な解らない様な微妙な例えで来たね……」
「あれ、背中以外は普通に暑いって感じでしんどいしな」
あ、なんとなくは解るんだ。
私は車に乗る機会ってあんまり無いから、良く解らないな。
お母さんもだけど、基本的に外出を控えなきゃいけない存在だし。




