949:取得を提案しよう。
「ん……」
「おっ、と」
シャルロットさんの声に反応してアヤメさんが手を離し、それを見たシルクが少し後ろに下がっていく。
一応の用心かな?
「だ」
「大丈夫か? と」
レティさん、中継が食い気味どころかほぼ同時じゃないの。
……中継っていうか代弁?
「大丈夫です。と言いますか、逆に心地よいくらいでした」
あ、苦しいとかじゃなくて、ふわーってなって声が出ちゃっただけなんだな。
やっぱり契約した本人は触って良いのか。
「それは良かった。ところで提案が有るのですが」
「はい、なんでしょう?」
レティさん、えらい唐突だな。
何を思いついたんだ?
「スキルポイントが余っていればなのですが、アヤメさんにお願いして【聴覚強化】を取得しておくのも良いかと」
「やはり、妖精さんと関わる以上は持っておいた方が良いでしょうか?」
……中継が面倒になったわけじゃないだろうな?
まぁレティさんだし、それは無いか。
「それも無くは無いのですが」
「他にも?」
「今はこうして同じ高さで向かい合っていますが、これはジェイさんによるものですので」
「あぁ、確かに。わざわざ声を張っていただくのも申し訳無いですね」
あ、そうか。
普段は足下まで来た人でさえ数メートルは離れてるんだもんね。
聞こえない事も無いだろうけど、ちょっと遠くて聞き取りづらそうだ。
っていうか下手したら、気付かずにそのまま踏んづけちゃう可能性まで有るし。
まぁそれは人が居る可能性の有る場所は気を付けろって話だし、どっちにしろ喋ってもらわないと気付けないけど。




