941:従う側から望まれよう。
「それでは、お願いしても良いでしょうか」
「うむ」
「うんうん、よろしくねー」
いや、なんで最初にアリア様が頷くんだ。
そりゃ別に何か問題が有るわけじゃないけどさ。
「そういや、主従契約みたいな事は必要なのか?」
「あ、そうか。いろいろ封印されてるんだったね。その辺どうなの……って聞こえてないんだった」
「えっと、従魔としての契約のお話でしょうか?」
「そうそう」
やっぱり魔物扱いなんだな。
お姉ちゃん、シャルロットさんの言葉に頷きながらも「……なのかな?」みたいな顔してるけど。
「ご迷惑でなければ、そちらもお願いしたいのですが」
「あはは、ないない」
うん、それを迷惑だって言うならそもそもお世話係に立候補しないよね。
「ワガママを一つ、言わせていただいても良いでしょうか」
「ん? 何かな?」
「出来れば、アヤメさんに主になっていただきたいと思いまして」
「……え、何で私なんだ? いや、別に嫌って訳じゃないし構わないけどさ」
何かアヤメさんにって理由、有ったっけ?
「『良いけど何で私なんだ?』だってさー」
エリちゃん、座らされたままだけど通訳の仕事はちゃんとやるんだな。
いい加減立って良いんじゃない?
「アヤメさんには恩が有りますので。今は何も出来なくとも、ご迷惑にならぬ様努力していきます」
「恩……? あー、いや、ご飯奢っただけだろ……」
……恩返しが重過ぎはしないだろうか。
いや、まぁ契約の解除も出来るだろうし、そこまで大した事じゃないんだろうけどさ。




