924:直接放り込もう。
むにーっと広げられたシャルロットさんのお口に、草のボールが放物線を描いて飛んで行く。
お、ナイスシュート。
……食道の穴にスポッてはまったのは、ナイスと言って良いんだろうか?
まぁ普通の喉と違ってむせたりする訳でもないし、どうせあそこから押し込むんだからナイスで良いのかな。
さっきもあそこに直接、細かい草をザラザラ乗せてたしね。
ダメなんだったら、あの時点で思いっきり噴き出してただろう。
「あ、この方が食べやすくもありますね」
「うむ。飲み込み易そうなサイズにしたからな」
「お心遣いに感謝します」
「うむ」
アリア様、満足げに頷きつつも「『ありがとー』くらいで良いのだがなぁ」みたいな顔してるな。
まぁシャルロットさんもお堅いのに慣れてる訳じゃなさそうだし、馴染んでくれば少しずつ砕けてくるんじゃないかな?
たまに素が出かかってるっぽいし。
とりあえず、私の仕事は終わったし元の位置に戻っておこう。
無いとは思うけど、アリア様やボールにぶつかったらお互い困るしね。
「よし、どんどん行くぞ」
「はい、お願いします」
粘土状の飼料をコロコロ丸めるアリア様と、受け止めるために口を開いて待ち構えるシャルロットさん。
なんか変な所で楽しそうにやってるな。
まぁうん、何でも楽しいに越した事は無いけどさ。
……なんかお姉ちゃんがそわそわしてる。
自分もやってみたいんだろうか。
「……ここは私が見ていますので、ミヤコさんも行ってみては?」
「あ、良いの?」
……いやお姉ちゃん、子供じゃないんだからさ。
なに「わーい」みたいなノリでアリア様の方に駆け寄ってるんだ。
「なぁ」
「ん?」
アヤメさんが唐突に呼びかけてきた。
なんだろうか。
「なんていうか、動物園のふれあいコーナーみたいだな……」
「……そこは言わないでおこうよ」
私もちょっと思ったけど、シャルロットさんに失礼かなって黙ってたんだから。




