923:こねこねしよう。
まぁ別に問題が有るわけでなし、ぱっぱと出してしまおうか。
ツッコむ意味も無いし。
「どれくらい出せば良いですかね?」
「その辺は様子を見つつ、だな」
うん、まぁそうなるか。
アリア様だって、こういう物を作るのに慣れてる訳じゃないだろうし。
「それじゃ、適当な所で合図でもお願いします」
「うむ」
スコップを持って頷くアリア様の反対側から、ぬるま湯をどばーっと。
私から見ての「どばー」だから、普通のサイズから見れば大した事はないんだけど。
でもまぁ調整する必要が有るんだから、むしろその方が良いのか。
あんまり一気に注ぎ過ぎて、草スープみたいになっても困るだろうし。
「ふっ、ぬっ」
水が満遍なく行きわたるように、スコップで飼料を捏ね回すアリア様。
今更だけど、普通は王女様がやる様な事じゃないよね。
っていうかジョージさん達、代わりますとか言わなくて良いんだろうか。
「……ふぅ。これは中々、疲れるものだな!」
……あー、楽しんでるから邪魔はしないでおこうって事ね。
アリア様、めっちゃ爽やかな笑顔だし。
「……ふむ、こんなものかな?」
ぺすっと粘土状になった飼料をスコップで叩いて、アリア様がストップをかけてきた。
結構柔らかくなったなぁ。
「もう少し固くても良かったんじゃないですか?」
「うむ、少しやり過ぎたかもしれんな、っと」
って、何いきなり手を突っ込んでるんですかアリア様。
そりゃ別に、汚れても洗えば良いだけだけどさ。
あ、ゴソッと掬い取ってコロコロ丸めて、ボールを作り始めた。
私よりちょっと大きいくらい…… 人間から見れば、バレーボールくらいの大きさかな?
「しかしまぁ、一応形は保てる様だ」
「ほんとだ…… ってちょっと潰れてきてますけど」
自重に耐えられなくて、球体がゆっくりと楕円形になっていってる。
「……まぁ大丈夫だろう。ほれ、行くぞー」
「えっ? あっ、とっ、はい!」
無茶振りってほどでもないけど、丸め直したと思ったらいきなり下投げのフォームに入るのはやめてあげようよ。
びっくりして開き方間違えてたじゃないの。




