922:少し工夫してみよう。
「……ふむ、しかしやはり多少はこぼれるものだな」
シャルロットさんが二回目を飲み込んでる間に、スコップで飼料をぺしぺし叩きながらアリア様が呟いた。
確かに口からこぼれるのは少なくても、そこに持って行く間にスコップからちょっと落ちてるな。
でもまぁ、それくらいは仕方ないんじゃないかな?
別に食堂とかの屋内で食べるわけじゃないんだし。
「ジェイ、このくらいの器を作ってくれるか? 丸いので頼む」
「はぁい」
おや、何か思いついたのかな?
両手でギリギリ抱えられそうな、かなり大きめの入れ物を要求してる。
「ほっ、と」
アリア様が、出来上がったジェイさんの器にザクザクと飼料を放り込んで行ってる。
どうするつもりなんだろう?
……というかどうするにしても、この過程で結局こぼれてるんだけど。
まぁうん、そこは別に良いか。
器の半分くらいまで放り込んで、それをスコップで細かくしてるな。
あんまり砕くと余計にこぼれやすくなるんじゃない?
「良し。では白雪、こっちに来てくれ」
「ん? あ、はーい」
おおう、唐突に呼ばれた。
ぼーっと見てたから、一瞬反応できなかったよ。
「すまんが、ここに水を注いでくれるか? 少し温かめが良いかな」
「はーい」
あー、細かくしてからお湯で捏ねて、お団子みたいにしてみようって事か。
まぁ確かに、それなら少しはこぼれにくくなるだろう。
それにあんまり水気が無さすぎても、シャルロットさんの口の中とかがパサパサになりそうだし。
いや、多分大丈夫なんだろうけどさ。
「ジェイに頼んでも良いのだが、やはり【妖精】産の水の方が美味そうだと思わないか?」
「うふふ。そうですねぇ」
なんかアリア様が妙な事を言い出した。
ジェイさんが自分じゃダメなのーみたいな顔でもしてたんだろうか。
……いや、うん、水は水だと思うよ。
出すけどさ。
というかそもそも、あっちの口には味覚は無いって言ってたじゃないの。




