920:食器を奪おう。
「もう少し口の操作に慣れるとマシになるとは思うのですが……」
うん、確かにあんまり開けてないから、押し込んでこじ開ける時に結構こぼれてるもんね。
口にはめ込む専用の道具を作って、開きっぱなしにしちゃえば……
いや、そういう物を貰ってないって事は、そうすると問題が有るって事かな?
開けっぱなしだと飲み込みづらいとかかな?
今も一度閉じてから飲み込んでたし。
「よし、貸してみろ」
「え? あ、はい」
おや、アリア様がスコップを奪い取った。
いや奪ってはいないけど。
「ふーむ」
興味深げにコンコンと叩いたりしつつ見てるけど、どう見てもただのスコップだと思うよ。
……なんか飼料をザクザクし始めた。
「ほら、開くが良い」
「わ、悪いですよぅ」
ご飯を掬ったアリア様に口を開けろと要求されて、シャルロットさんがわたわたしてる。
まぁ王女様に食事の世話をさせるっていうのは、普通は遠慮するだろうね。
でもアリア様ってそういう人だしなぁ……
「私がやってみたいからやるのだ。遠慮するでない」
「しかし……」
「くくく…… 私に対する配慮などで、この私を止められると思うなよ?」
「……なに悪そうな笑顔で変な事を言ってるんですか」
しまった、またツッコんでしまった。
まぁ飛び火してくる様な状況じゃないし、別に良いか。
なんか「はっはっは」って笑ってるけど、そういう遊びだから気にするなって事だろうな。




