916:気になって触ってしまおう。
アリア様が元に戻りかけてるシャルロットさんの口に手を差し込んで、さっきと同じ様に手前にむにーっと広げた。
やっぱり良く伸びるなぁ。
「ふむ…… ふむ」
「あの……」
「おお、すまん。ついつい、な」
戻らない様に左手で確保しておいて右手でむにゅむにゅと押さえてたら、シャルロットさんにすごく遠慮気味にツッコまれてる。
何してんのさ、アリア様。
「む、これは?」
「んっ、けふっ」
何やら気になる所が有ったらしく上の方をアリア様が触ったら、シャルロットさんがちょっとむせそうになった。
どうしたのかな?
「おっと…… すまない、触れる前に聞くべきだったな」
「いえ、少し驚いただけですので、お気になさらず。それはこちらの口と繋がっている穴ですね」
「ふむ。そちらでも一応物は食べられるという事か」
「はい。なにぶんそちら側には味覚が有りませんので、それでは楽しみも減ってしまうだろうと残して頂けました」
「なるほど」
ほほー。
まぁ確かに、美味しい物が有っても味わえないっていうのは、ちょっとつらいかもしれない。
いやジェイさん、それ自体は確かに良い事だと思うんだけどね。
えっへんって顔してるけど、普通の馬を用意出来てたり、もう少し普通の改造だったりしたら要らない項目だと思うよ、これ。
まぁ良いんだろうけどさ。
「しかしこれは…… ふむ……」
アリア様が興味深いって顔で、シャルロットさんが持ってる横側のお肉も触り始めた。
シャルロットさん、ちょっとくすぐったいけど文句を言うほどじゃないし…… って感じになってるなぁ。
「手を離して、挟んでみてもらっても良いかな?」
「え? あ、はい」
「おぉ…… これは良い……」
いやアリア様、何やってんの。
右手首から先をふにっと挟まれてご満悦って顔してる。
確かに気持ち良いのかもしれないけど、それデカい生き物の口の中だよ。
【妖精】なら「それ罠だろ相変わらずロクでもない生き物だな」って言われちゃうやつだと思うよ。




