913:広げて見せてみよう。
む、エリちゃんが手を伸ばした。
赤信号か…… と思ったけど、お腹を指さしただけだった。
いや、まぁ言ってしまえば、実行に移されても私自身は特に困らないんだけど。
というか実際の話、シャルロットさんが嫌がりさえしなければ、これも私に止める権利は無いしね。
「ここが開くって事で良いんだよね?」
「そうですね。こんなかんじで、結構伸びますよ」
エリちゃんの質問に、答えながらむにゅっと割れ目に両手を指の付け根まで突っ込んで、ぐいーっと広げて見せてくれた。
かなり柔らかいみたいで凄く伸びてるけど、どうなってるんだあれは。
……いや、伸びすぎじゃない?
もう元々の胴体の倍くらいに開いてるんだけど。
なんていうか、胸から下のお腹あたりが、全部柔らかいゴムみたいなお肉に代えられてるのかな。
強度的に大丈夫なのかって事と、内臓……は馬の方に有るのか。
「おー、凄い凄い」
「柔らかいですが、一応筋肉の塊みたいなものなんですよ」
「ふむ、噛む代わりに締め付ける事も出来るという事か」
「そうですね。まだ慣れていませんが、少しなら開くことも維持する事も出来ますし」
あ、ほんとだ。
手を離してもぽよんと戻りはせずに、ゆっくりジワジワ戻ってる。
「あれ? でもさ」
「はい」
「これ、横にいっぱい開いても、あんまり意味無くない?」
あ、確かに。
根元は開いてないんだから、お腹の所で覆えるだけだよね。
いや、覆って閉じ込める事は出来るかもしれないけどさ。
「あ、いえ。自分だと手が届きませんが…… すみませんが、ここを引っ張ってみてもらえますか?」
「ほいほい。……おおぅ、ネチョッとしてる」
「あ、申し訳ないです。これでも一応、口なものですから」
……あー、まぁ唾液的なものは出るよね。
というか乾いちゃってると、動くにも食べるにも擦れて痛そうだし仕方ないのか。
「お? おぉー?」
「ほう、これは凄い」
うわぁ……
手前にも横幅と同じくらいまで伸びていって、直径一メートル近い大穴になってしまった。
「ほほー……」
「あまり前に出すぎると、危ないですよ?」
シャルロットさん、その人それを狙ってる節が有るから気を付けた方が良いよ。




