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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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870/3917

870:逃げようとしてみよう。

「……ん?」


「どうしたの?」


 アヤメさんの口から、何やら訝しげな声が。


「いや、何でもない。それじゃシルク、帰るとしようか」


「アヤメさんも無関係ではありませんよね?」


「……勧めたのはあんただろ?」


「だとしても、ですよ」


 あー、小さいまま(その状態で)研究所に行く羽目になるって事に気付いたのか。


 いやー、まぁ確かにシャルロットさんと関わりが無いわけじゃないけど、どっちかって言うと責任はレティさんの方に有るよね。

 一緒に居たのに何も言わなかったって意味では、あながち無罪とも言い切れないけど。


 ……あ、それは私もか。

 いや、でも私が言ってもシャルロットさんには聞こえないしセーフセーフ。

 普通に通訳してもらえるけど、そこも忘れておこう。



「絶対変な目に遭わされるじゃないか……」


「あー、いや、そうでもないと思うよ」


「え?」


「だってジェイさん自体が元々かなり大きいから、人間サイズだろうと【妖精】サイズだろうと大差ないだろうし」


「……あー」


 私の言葉に、アヤメさんが納得した様な声を出す。

 実際向こうから見れば、程度の違いだけで「小さい」事には変わりないだろうしね。



「それをネタにからかわれはするかもしれないけど、アヤメちゃんの場合はおっきくても同じだしねー」


「だから元々、あんまり行きたくないんだけどな……」


 うん、まぁアヤメさん、普通に行っても遊ばれるよね。

 別に特別な事をしてる訳ではないっぽいのに、妙に色々と好かれる人だよなぁ。


 まぁ色々の半分くらいは、アヤメさん的にはお断りしたいところなんだろうけど。


 いや、なんだかんだで結局許してるし、そこまででもないのかもしれない。

 多分本人に聞いたら否定するだろうけどね。




「まぁ私も気にならないって言ったら嘘になるしな……」


 ため息を吐きつつ諦めの言葉を呟いてる。

 っていうか、さっきからウサ耳の上でラキがごそごそしてるけど、くすぐったくないんだろうか。

 ちょっと慣れてきたのかな?


 しかしいくらラキが軽いって言っても、よく上の方にくっつかれて曲がらないな、あの耳。

 あ、ちょっとへにゃってなった。


 ……なんかアヤメさんが軽く力を入れたと思ったらピンと立ったけど、気合で何とかなるもんなの?

 いや、うん、何とかなってるんだからなるもんなんだろう。

 深く考えても無駄だな。


 そもそも【妖精】(わたし)の翅も、多分あんまり他種族(ひと)の事は言えないんだろうし。



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