869:うっかりを指摘されよう。
「さて、それではアヤメさんも元の大きさに戻った事ですし」
「いや戻ってないぞ」
スッと進み出てきたレティさんの言葉に、アヤメさんが食い気味にツッコミを入れる。
なんで自分のパーティーメンバーの種族を勝手に小人か何かに変えようとしてるんだ。
「っていうかわざわざ大きくしなくても、そのまま解除すれば良かったんじゃないの?」
「あ」
「……そういえばそうだな」
お姉ちゃんの『あれっ?』って感じの言葉に、アヤメさんと顔を見合わせる。
うん、訓練は終わったんだし別にわざわざ大きくする必要は無かったんだ。
流石に潰れたままで解除するのは、何が起こるか解ったもんじゃないから止めた方が良いと思うけど。
「アヤメちゃんのそういううっかりは珍しいねぇ」
「なんかそういう流れだったし…… ってのは言い訳だけど」
流石に言い返せないからか、苦笑しつつ返してる。
ただお姉ちゃん、今ちょっと「雪ちゃんと違って」って続けようとしなかった?
多分、言ったら肩のぴーちゃんに怒られるから止めたんだろうな。
まぁ正直なところ、あんまり反論できないんだけど。
「あ、そうだ」
お姉ちゃんが何やら思いついたらしく、ポフンと手を叩いた。
「何だ?」
「せっかくその大きさのままなんだし、今日はアヤメちゃんが雪ちゃん家にお邪魔すれば良いんじゃない?」
「……いやいや、維持コストもかかるし人の家なのに、何を勝手な事を言ってるんだよ」
「私は構わないんだけど、言いたい事は解るよ」
まぁ提案しただけで別に決定事項みたいに言ったわけじゃないから、一応セーフではあるのかな。
「まぁそう言うとは思ったけど…… 移動とかの問題も有るだろ?」
「まぁそこは誰かに…… うん、シルクがやる気満々な顔してる」
「そうなるだろうとは思った」
「っていうかこれ、家でのお世話も頑張るぞーって顔じゃない?」
「……まぁ諦めてお邪魔するけど、お手柔らかに頼むよ……」
アヤメさんの場合、シルク以外にもわちゃわちゃと懐かれそうだからそこも頑張ってほしい。
というか、妙に諦めが早いな。
結局そうなるだろうっていうか、レティさんにそう持って行かれるだろうって思ったんだろうけど。




