863:剥がして隠そう。
「くすぐったいんだけど……」
「ぴったりとくっついてしまっていますので、少し我慢してくださいな」
うぅ、足の裏を爪で掻かれるのはかなりつらい。
我慢するしか無いんだけど、手早く何とかしてほしいところだよ。
いや、何とかするために爪を差し込んでるんだろうけどさ。
「しかし、やはり良い香りですわねぇ」
「そういうのは外してからやってほしいんだけど……」
潰れたせいで爽やかな香りを放出してるんだろうけど、だからって人の足の下でクンクンしないでもらいたい。
……この人の場合、アヤメさんが居なくても同じ事をやりそうだな。
んー……
端っこを摘まめたらしく、ぺろーって剥がれていく感触が少しくすぐったい様な気持ち良い様な。
どっちかというとくすぐったい方が強いかな?
「お待たせしました」
「ありがとう。……やっぱ見ない方が良い感じになってた?」
剥がしたアヤメさんを手に乗せて、その上を反対の手で覆って隠してるし。
「そうですわね。ですので、このまま治療も私の方で済ませてしまいますわ」
「うん、それじゃ頼むよ。アヤメさんもそれで良いよね?」
「ああ、問題無い。……あー、加減はしてくれって言っておいてくれるか?」
「あ、うん。カトリーヌさん、アヤメさんが治す時はゆっくりお願いって言ってる」
「ご心配なく。無論心得ておりますわ」
さっき治した時の事を参考に、意訳しておこう。
また立てなくなっても困るだろうしね。




