861:足を下ろそう。
私が右足を少し上げると、嬉しそうに親指の横にスリスリしてきた。
可愛いけど少しくすぐったいな。
というか、今は懐きに来たんじゃないでしょ?
「あーうん、すごいすごい」
なぜ私の足を自慢げに軽くぺちぺちしてるんだ。
アヤメさんも反応にちょっと困ってるじゃないか。
あ、片手で抱いてたのを両手に持ち替えた。
「あー、まぁそうだよな……」
……私の足の下に仰向けで置かれながら、諦めた様な声を出してる。
うん、まぁそうなるとは思ってたよね。
「えーと…… 止めとく?」
「まぁ怪我しないのは解ってるし、負けたんだから仕方ないな」
潔いなぁ……
「というか、この状態を維持されてる方がプレッシャーが凄いから、サクッとやっちゃってくれ」
「あ、うん」
まぁ確かに、処刑前みたいな状態で引き伸ばされるのも怖いだろうな。
さっさと済ませて次に行った方が色々と楽ってものか。
さて、それじゃあんまりやり過ぎない程度に気を付けてみよう。
あ、でも変形しないギリギリで抑えられるのが一番しんどいのかな?
変形するまで潰せば痛みはゼロっぽいけど、それまでは普通の一割程度の刺激は有るらしいし。
とは言ってもシルク達じゃあるまいし、そんな微調整が出来る気はしないな。
諦めて下ろす…… っていうか、あれ?
私の足、もうお皿に付いてない?
あー、うん、もう完全に下りきってる。
なんていうか、アヤメさんの抵抗というか感触が、殆ど感じられなかったな……
一応何かに触ったかなって感じはしたけど、これ素足じゃないと存在に気付く事さえ難しそうだ。
これじゃお姉ちゃんも、私を踏んだのに気付かずにすり潰したりしても仕方ないよ。
まぁ今のアヤメさんに比べればかなり大きかったはずだけど、あっちは外で冒険するための硬いブーツを履いてたんだから、少しくらい大きくても誤差っぽいし。
……ていうかアヤメさん、大丈夫かな?
いや、大丈夫ではないだろうけどさ。




