860:手伝わされよう。
どうしよっかなー、といった顔で何をするかを考えてるな。
そんなに悩むくらいなら、また今度って事で後回しにでもすれば良いのに。
おや、目が合った。
一瞬笑顔になったけど、またすぐに考え始めたな。
一応こっちを待たせてるとは思ってるらしい。
ん?
ラキの視線が私の顔から下がって行ったと思ったら、パンっと手を叩いて「良い事思いついたー」って感じに顔が輝いた。
……なんか嫌な予感がする。
「おわっ」
ラキが唐突にアヤメさんの両脇に手を差し込んで、ひょいっと高く持ち上げた。
抱っこっていうより、捕まえたって感じかな?
アヤメさんも今更逃げたりはしないと思うけど。
「決めたっぽいけど、何をやる気なんだ?」
「何だろう? ……ん? 私?」
諦めてされるがままのアヤメさんの呟きに返事をしてたら、なんかラキがこっちをじっと見てきてる。
やっぱり私を巻き込む気なのか。
「おぉっ、と」
アヤメさんをクルっと反転させて片手で抱き直し、お皿の端の方へ移動してきた。
私を見たまま身をかがめて、ぺちぺちとお皿を叩き始めたな。
「ん? そこに来てくれって事?」
推測で聞いてみたら、頷きが返ってきた。
とりあえず従ってみるか。
ラキが少し下がって行ったのを確認してから、指定された場所へ飛んで行く。
ぺちぺちしてた場所から考えて、お皿の底部分の端の方に着陸してから、斜めになってる所に座れば良いのかな。
一応斜めでは有るけど、滑っていくほどの傾斜じゃないからあんまり気にしなくても大丈夫だろう。
「何をさせる気なんだろうな?」
「解らないけど、多分お互いにまともな事じゃないとは思う」
「それは解ってる」
うん、まぁそうだよね。
そもそもが罰ゲームだって話なんだし。
おや、ラキが右足に近付いてきた。
「デカいな……」
「まぁそれだけ縮んでればね」
必然的にアヤメさんも私の足下に来たわけで、圧倒された様な呟きが漏れてきた。
めーちゃんと私くらいのサイズ差だろうし、どれくらい大きく見えるかは大体解る。
……ん?
なんかラキが私の親指の横でしゃがんで……
おおぅ、親指の付け根の下に手を突っ込んで、ぐいーと持ち上げてきた。
ちょっとくすぐったいぞ。
「え、何、上げるの?」
聞いてみたら頷かれたし、素直に従っておこう。
「解ってはいたけど、嫌な予感しかしないんだけど」
「私も」
やっぱ逃げちゃダメかな?
ダメなんだろうなぁ。




