851:不満を宥めておこう。
「ええ、とても熱心にやってくれていますよ」
「やる気に満ちてますねー」
お、一応聞いてみただけだけど良かった良かった。
今はアルさんが土人形でぴーちゃんにゆっくりと技を使ってみて、防御の仕方を練習してたのかな?
もしかしたら、受けてみて逆に自分が打つ時の注意点を確認したりとかなのかも。
こんな打ち方だと逆にここを狙われちゃいますよ、みたいな。
「ぴぅー」
あ、なんか不満げというか悲しげというか、微妙な感じでぴーちゃんから抗議の鳴き声が。
『私、ちゃんとやってるもん』ってとこかな?
「うん、挨拶みたいなものだから大丈夫だよー」
預かってもらってたからとりあえず言っておくか、みたいな。
あ、私が来たからなのかタイミングが良かったのか、訓練はおしまいみたいだな。
アルさんとお互いに礼をしてから、ぴーちゃんがこっちに寄って来た。
「ぴっ!」
「よしよし、頑張ったねー」
褒めろとばかりに笑顔で飛んで来たので、よーしよしよしと頭を撫でまわす。
うむ、ふわふわ。
しかしやっぱり、この子の髪って見た目と感触が違うよなぁ。
普通の髪に見えるのに、触るとなんか短い毛皮を撫でてる様な柔らかさが有る。
……気持ち良いからまぁ良いか。
解らないものは多分考えても解らないから、気にしないでおこう。




