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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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835/3920

835:充満させよう。

「んー、まぁドアって言うか、(ふた)って言うか」


「……蓋?」


「蓋」


 そういえば「閉じた」じゃなくて「密閉した」って言ってたな。

 どういう事だ。

 いや、意味はこれから言うつもりだろうけど。



「私が諦めて手を離すのを見てからおねーさんが端末を操作したら、なんか中の壁や天井からほわっと霧みたいなのが出てきてね」


「霧?」


 なんか単語をそのまま聞き返してるだけになってるけど、まぁ仕方ないか。


「うん。多分、麻酔か何かの成分が有るんじゃないかな?」


「苦しまない様に寝てろって事か…… 普通はそんなに充満させたらヤバいだろうけど、まぁどうせその後死ぬんだろうから一緒だしな」


 あー、まぁ確かに。

 普通だと体を開かれても感じない様にしつつ体の機能は維持して、更に起きた後にも影響が残らない様にっていう凄く繊細な調整が必要なんだろうけど、この場合はそのまま起きる事は無いんだろうしね。

 というかそれ自体で既に殺す気なのかもしれないし。



「で、少し経ってそれが収まったら、今度はとろーっとした液体が、壁全体から染み出してきてね」


「……そっちが本命か」


「うん。うちの近所にある中華料理屋の、八宝菜の餡くらいとろっとしてた」


「いやその前置き要らないだろ。解んねーよ。……まぁモノ自体の想像は大体付くけどさ」


 むしろその店をピンポイントで知ってたら、本来の話題そっちのけで『お前は一体誰なんだ』って話になるよね。

 いや、店名は出してないから店の特定から無理だし、お兄さんが解るって言ってもそれは多分別の店だろうけど。


 というかとろみ加減の情報も別に要らないよね。



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