828:呼び方を咎められよう。
「あ、そうだ。今更なんだけどさー」
「ん?」
いきなり何だろうか。
「あれユッキーの能力だったんだし、勝手に言っちゃって良いのかな?」
「本当に今更だな……」
「程が有るけど、私別に【妖精】の能力とかは隠そうとしてないし、構わないよ」
結晶が作れる事は隠せって言われたから一応隠してはいるけど、もうこの調子だと別に良いんじゃないかなぁ。
普通に公開してる事だけで十分に攫う価値が出ちゃってるし。
まぁそれとは比べ物にならないくらいに、【妖精】に手を出した時のデメリットがどんどこ出てきてるけど。
こんなの、普通は近寄ろうと思わないでしょ。
「おっけおけー。で、お菓子貰ったは良いんだけど」
「だけど?」
「私が乗ってるのがお皿なのと、すぐ近くにおねーさんの分の飲み物とかが置かれたせいで、完全におつまみとかおやつの配置だったよね」
「いや、よねって言われても困るけど」
その状況を確認したのはエリちゃんだけだろうに。
別に同意を求めてるわけじゃないだろうけど、一応ツッコんでおこう。
「で、まぁとりあえず、おねーさんに『ここってユッキーの中なんですかー?』って聞こうと思ったんだけどさ」
「うん。ん?」
だけど?
「おねーさん、私がユッキーって口にした瞬間にじとーって感じの目になってさー」
「……なんで?」
「なんていうか、『不敬ですよ』って感じ? 君ちょっとご主人様に馴れ馴れし過ぎない? みたいな」
「あー、シルクみたいな……」
私が良いって言うからスルーしてるけど、たまにシルクもそんな感じになるんだよなぁ。
他の召喚獣たちがちょっと調子に乗っちゃった時とか。
「多分、召喚獣と似た様な存在なんだろうねー。シルクちゃん達と同じで、声は一切出さなかったし」
「ああ、そういえば」
何か言った、みたいには一度も言ってなかったな。
全部エリちゃんの側で察してた感じだったし。
というか召喚獣は何で基本的に喋らないんだろう。
動物の子たちは普通に鳴いたりしてるけど、ラキやシルクは無言なんだよね。
ぴーちゃんだけなぜか声が出てるけど、それも『ぴゃー』とかの鳴き声だし。
まぁ解らないものは解らないって事にするしかないんだけどさ。




