827:もてなされよう。
「てかさ」
「んー?」
おや、お兄さんが何か聞きたいらしい。
「そんな色々やってたら、あの時間で帰って来れなくないか?」
あ、そういえばそうだった。
エリちゃん、入ってすぐに死に戻りしたくらいの時間で帰ってきたはずだよね。
「あー、そうそう。そこも大事なポイントだったよ」
「どういう事だ?」
「まぁ順番に言うよー。運ばれてテーブルの上にお皿ごと置かれて、器用に私サイズのお皿とグラスで、お菓子と飲み物を出してくれたんだよね」
「やっぱりお客様扱いって感じなんだ。……って、言っても仕方ないけど何で私の中にお菓子の用意まで……」
うん、そんな人が居てちゃんと服着てたりアイマスクとか有ったりするんだから、今更なんだけどさ。
「あー、あれユッキーから出た物っぽいよー。すごく美味しかったー」
「……えー」
そんな情報を「ありがとー」って顔で言われても戸惑いしかないんだけど。
「壁の一部にちょっとしたくぼみが有って、その近くにおねーさんが手をついて何かしたら、ドリンクバーみたいな感じで出てきてたもん」
「えぇ……?」
っていうかそれ、「っぽい」どころの話じゃないでしょ。
出てきてるの見てるんだったら、ほぼ確定でしょうに。
ていうかそんな物を喜んで飲み食いするんじゃない。
……いや、【妖精】が関わってる事に関しては、NPCだと喜ぶ人の心当たりが多すぎて何も言えないけどさ。
王女様でさえ【妖精】が足で捏ねたバターとか、【妖精】の唾液と混ざった蜜とか飲みたがってたし。
まぁ蜜の方はその後ひどい事になってたけどさ。




