821:自分の行いを省みよう。
でもよく考えたら、私も見逃してもらった事が有ったし、あんまり人の事は言えないか。
初めてだったし本当に知らなかったし素直に謝ったとはいえ、【妖精】だからって補正が全く無かったとは言い切れないんだしね。
「まぁ実際のとこ、あんな勢いで走ってる人が居たら危ないなーって私でも思うし、気を付けないとねー」
「そもそも別に、そんな急ぐ必要も無かったでしょ」
訓練所の入り口を閉めて歩いてくるエリちゃんに、とりあえずツッコんでおく。
待ってるとは言ったけど、急いで戻ってこいとは言ってないぞ。
「いやー、無駄に元気が有り余っててさー」
「あん? いやお前、さっき死んだんじゃないのかよ」
「あ、デスペナはしっかり貰ってるよ。そういうのじゃなくてこう、精神的に満たされてるっていうかー」
「解らんし解らん方が良いタイプの話か」
「そうだと思いますよ。そっとしておきましょう」
エリちゃんの返事に諦め気味な顔になったお兄さんに、追及するなと柔らかく釘を刺しておこう。
多分、聞いても良い事は無いと思うよ。
解る人同士で解り合っててくれれば良いタイプの話なのだ。
「あ、そうそう」
「ん?」
名指しでは無いけどこっち見てるし、私に言ってるんだろうな。
「なんか、いつも食べられてるのとは違う所に流されたよー」
「そう言われても困るんだけど、どういう事?」
そもそも、いつも行ってるところもよく知らないよ。
飲んでる感触的にも、多分胃袋的な所なんだろうけどさ。
「普段は中に入ったらそのまま分解されてるんだけど、なんか今回は中で元の姿に戻されたよ」
「……えぇ?」
どういう事なのか。
ああ、でもなんか飲み込んだ時の感触も変な感じだったな。
飲み物というか、固形物を飲み込んだ様な違和感というかなんというか。
……一体今度は何が起きてたんだ。




