809:普通に戻ろう。
ほわーっと光が人の形に集まっていって、中に猫さんが生成される。
うん、ちゃんと動ける様になってるみたいだな。
「ただいまー」
「お、大丈夫だったか」
「みたいだね。良かった良かった」
こっちとしても、他の人に迷惑をかけずに済んで良かったよ。
別に文句は言われないと思うけど、何も無いに越した事は無いしね。
「妖精さん、付き合ってくれてありがとね」
「あ、はい」
お遊びタイムは終了という事なのか、すごいまともな人っぽい態度になってる。
いや、実際普段はまともなんだろうけどさ。
「体の方は問題無いですか?」
「うん、大丈夫っぽいよ。とりあえず今の所、おかしな感じはしないね」
体の具合を確認してるっぽいので聞いてみたけど、少なくともすぐに解る様な異常は無いらしい。
あ、そうだ。
「なにか有ってもいけないし、一応軽く吹いておきますね」
「あ、それは嬉しいなぁ」
私にぶつからない様にストレッチを一旦止めてくれたので、近くに行って少し広めの範囲に【妖精吐息】を吹きかける。
ってカトリーヌさんもこっそり手伝いに付いて来てくれてた。
……別に私の背後を取らなくても、普通に一緒に来れば良いのに。
「よし、おっけー」
「ありがとね。あ、お返しにちょっと吸って良いよー」
「あ、どうも」
「ほら、そっちも隠れてないで」
「ありがたく頂きますわ」
……なんでこの人、猫さんから見て私の陰に潜もうとしてたんだ。
別に出しゃばってるとか思わないし、もっと堂々としてて良いと思うんだけど。
「ところでさ」
「ん?」
おや、なんかお兄さんが唐突に猫さんに声をかけてきた。
何か有ったのかな?
「さっき、【寄生】の中のスキルっつってたけど、他にも何か有んの?」
「あぁ。うん、流石に試させてもらえなかったけど、【共生】の他に【侵食】ってのも有ったよ」
「……まぁそりゃ流石にな」
お兄さんの引き気味のコメントに、羊さんも頷いてる。
うん、いくらなんでも軽い気持ちで試せる雰囲気では無いよね。




