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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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806/3919

806:ぺりぺり剥がそう。

「同調率を高めるって書いてあったし、私が機能してる時なら他の効果も上がったんじゃないかな?」


「へぇ…… でもなんか、その代わりに吸い取る経験値も増えそうですね」


「あー、そうかもねー」


 あくまでも寄生してる側の言う共生だしなぁ。

 なんていうか、素直に良い事ばかりとは思えないよ。


 ……思えないよというか、信じないからな。

 【妖精】関連の良い事は、どうせ何かしらの裏が有るのだ。



「っていうかこれ、ちゃんと剥がれるんですか?」


「そりゃ妖精さんがやってくれないと判んないよー。試して剥がせたら私たち死んじゃうじゃん?」


「あぁ、それもそうか。んじゃ、痛かったら言ってくださいねー…… いや、無いか」


「ん?」


「いや、そもそも私にそんな腕力が無いから、その心配は要らないなと」


 剥がす為とかじゃなくて本気で殴りかかったとしても、ぽこぽこ当たってる感触くらいしかしないだろうしなぁ。

 まぁ針とか持てば別だろうけど、先端が刺さった瞬間に「(いた)っ」って反射で動かした手に当たって砕け散る未来しか見えない。



「あー。まぁなんか変な補正は有るかもしれないし、気にしとくに越した事は無いでしょー」


「それはそうですけどね」


 うん、まぁ何が有るかは解らないし、それは言えてるんだけどね。

 この開発を相手に、油断は良くない。

 いや、別に何が相手でも良くはないか。



「まぁとりあえずやってみよう」


「がんばるぞー」


 いや、そっちはじっとしてるだけじゃないか。

 じっとしてるも何も、顔としっぽくらいしか動けないんだけどさ。


 とりあえず、羊さんの手と猫さんの間に爪を刺す感じでブスッと行ってみよう。


 お、なんか簡単につぷっと刺さったけど、別に痛くは無いっぽいな。

 我慢してる様な反応さえ無いし。



 なんか思ったより簡単に剥がれそうだな。

 とりあえず一応猫さんの形に沿って外側をぐるっと一周、刺した爪を滑らせて切り離しておこう。


「おー、結構簡単っぽい?」


「痛みとかは無いですか?」


「全然。どっちかっていうとかゆい所を掻いてもらってる様な、妙な気持ち良さが有るかな」


 ……なんでだって気持ちは有るけど、まぁ痛くないなら良いか。



「なんか、かさぶた剥がしてるみたいな感じですねー」


「跡が残るから、あんまりやらない方が良いよ?」


「解ってますよぅ」


 上から聞こえる羊さんのコメントに、少し離れたお兄さんからの素早い忠告(ツッコミ)が。

 うん、まぁああいうのはなるべく触らない方が良いよね。

 治ってる最中とか、なんかむずむずして気にはなるけどさ。



「んじゃ、めくってみますね」


「よろしくー」


 一応声をかけてから、猫さんの両手の先を少しだけ剥がして摘まみ持つ。

 とりあえず、このまま上に引っ張っていけば多分大丈夫だよね。


「おぉ……」


 やっぱり冷却シートみたいな感じで、ぺろーんと剥がれていって感覚だけなら面白い。

 状況は全く面白くないって言いたいけど。


「ばんざーい」


 いや、うん、確かに両手を上げてる格好にさせてるけどさ。

 少しは静かにしててほしいんですけど。



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