804:そろそろ外そう。
とりあえず、あのパネルトラップが使い捨てだって事は解った。
解ったのは良いんだけど……
「なんか、奇妙な感覚というか違う所に入ったというか……」
「ん? なんか違和感でも有った?」
いや、有ったって言ってるよね。
単にこっちの声を聞いて反射的に返しただけなんだろうから、別に良いんだけど。
「ちょっと有りましたけど、今は何ともないですね」
「そっか」
指先でみぞおちの辺りをむにむに押さえてみるけど、特に痛かったりもしないし。
まぁ気にしてもしょうがないし、放っておくか。
別に現実と違って妙な物食べても、そこまで大きな問題は発生しないだろうしね。
変な病原菌や寄生虫が居たりしたとしても、死に戻ればそれで解決しそうだし。
そりゃまぁ、出来ればあんまり死にたくは無いけどさ。
「さて、それでは戻って来るのを待つとしましょうか」
「そうだね。まぁ適当に訓練してれば…… の前に外して戻してあげないとだった」
「なんか楽しそうだし、あのまま放っとけば良いんじゃない?」
「いや、流石にそれはマズいでしょ」
猫さんも羊さんも、別にソロで暇し続けてる人たちでは無いでしょうに。
当人だけならともかく、お互いのパーティーに迷惑がかかっちゃうよ。
特に猫さんの方に。
「おーい、そろそろ元に戻すぞー」
「あ、はーい」
「えー」
お兄さんの呼びかけに応えて、羊さんが歩いてこちらに寄ってきた。
猫さんが不満げなのはまぁ放っておいて良いだろう。
「お願いしますねー」
「はーい」
言いながら手を出してきたから返事はしたけどさ。
そのお医者さんごっこしてる子供にかける様な言い方は何とかならないのか。
ならないんだろうな。
「ぶーぶー」
「はいはい、ワガママ言わないでくださいね」
「うん、まぁ明日もあるしね。このまま遊んでて不参加じゃ文句言われちゃうよ」
「急に素に戻らないでくださいよ。いや、ずっとそっちでいてくれた方がありがたいですけども」
「んふふー」
良く解らない人だなぁ、本当に。
まぁ遊んでる間はノリだけで動いてるって事はなんとなく解るけど。




