1717:ちょっと失敗しよう。
「それと、見れば判ると思うけどこっちが妖精さんね」
再度ざぶんと潜って息継ぎしてきたねぎとろさんに、スナさんが私を紹介……って近い近い。
「うわぁ、かわいいなー。よろしくねー?」
「あ、はい、よろしくお願いします」
こっちが小さすぎるのも有ってよく見ようとしたら仕方ない事なんだけど、ずいっと近付かれるとちょっと怖いぞ。
多分ねぎとろさんの小指の方が私より大きいくらいのスケールの差だし。
とりあえず【人魚】相手とはいえ聞こえてないかもしれないから、一応大きめのリアクションで挨拶を返しておこう。
「こら、危ないから近づき過ぎないの」
「はぁい」
スナさんに注意されて、素直に引っ込むねぎとろさん。
うん、そうしてくれた方が助かるね。
なにせこっちの視界のほとんどがねぎとろさんの顔に占領されてたし。
流石にあそこまで近いと、逆に話しづらいよ。
「あと小動物みたいに言ってるけどその人もプレイヤーだからね」
「あ、そっかぁ。ごめんなさいねー?」
「あ、いえ、慣れてますし多分そちらの方が歳も上でしょうから、あんまり気にしなくても大丈夫ですよ」
このゲーム始めてからこっち、ずっと小動物扱いされてるからね。
慣れなきゃやってらんないのだよ。
「やっぱり私、ちょっと老けてるのかなぁ……」
「え、あれ?」
なんかしょんぼりされてしまった。
というかスナさんが中継しなくても反応してるって事は、スキルを持ってるのか元々なのかは判らないけどちゃんと聞こえてるんだな。
「あー、この子これでもまだ高一だから……」
「これでもって言わないでよぅ」
「ごめんごめん」
……まさかの年下だったのか。
言動はともかく見た目の雰囲気で、完全に大学生か短大卒の社会人だと思ってたよ。
というか知らなかったとはいえ、気にしてるんだったら申し訳ないな。
「えーと…… 勝手に判断しちゃってすみません。というか今更ですけど、ゲーム内で歳とか言うもんじゃないですね」
「あっ、こっちこそ変に反応しちゃってごめんね?」
流石にアルさんくらい歳が離れてたら見れば判る事だし大丈夫だとは思うけど、同年代で言うのはちょっとね。
細かい差だと個人情報に関わってくる話だし、なるべく気を付けよう。
……気を付けられるかなぁ。




