1714:他種族の所業を知ろう。
「更に大きな者も居るという話は聞くが、我々人類が遭遇したという記録は残っていないので実質的には最大級という訳だな」
あ、まだ上があるんだ。
流石は変な世界だなぁ。
いや、同じかそれ以上に変な生き物が言うのもなんだけど。
「で、だ。体の大きな【人魚】達は、主に遠洋で暮らしていてな」
「あー、だから余計に珍しいなって話ですか」
「うむ」
ただでさえ【人魚】の中でも珍しい種類な上に生活圏が完全に離れてるんだったら、見かける事さえそうそう無いだろうからなぁ。
会うとしたら、漁業で遠くまで出た漁師さんくらいなものだろう。
「大型の【人魚】は総じて気性が穏やかだと聞くが、ご友人もそうなのかな?」
「あー、はい、そうですね。穏やかというかふわふわしてるって感じですけど。……もしかしてそのせいなのかな」
小声でぼそっと呟くスナさん。
このゲームだと有り得ないって言いきれないのがなぁ……
普通に進めてたらカメリアさんとそれなりに会話してるだろうから、ある程度……少なくとも表向きの人柄くらいは港に出る前に確認出来るしね。
「種族的には結構友好的な感じなんですか?」
いや、まぁ敵対してるならこんなのんびりしてないだろうけど。
「そうでもないな」
「あ、違うんですね」
「大抵の【人魚】は高位種族の常で、人類などには何の興味も持っていないからな」
「あー……」
敵でも味方でもないというか、それ以前の問題なのか。
「大型種の【人魚】達は生息域に近付けば比較的積極的に関わってくるが、それは『あまり見かけない小さくて弱々しい生き物』を愛でているというだけの様だ」
「あー、野良猫とか見かけておいでおいでーって言ってる様なものですか」
「うむ。ただそれ故にとも言えるのだが、下手に気に入られてしまうと船の上から掴み上げられ、そのまま持ち帰られてしまう事もあると聞くがな」
「……ペットですかね」
「だろうな。まぁ当然ながら、連れ去られて生きて帰って来た者など居らんので定かではないのだが」
うわぁ……って言おうかと思ったけど、その点に関しては【妖精】は何も言えない事に気付いたから黙っておこう。
むしろ自分からふらふら寄って来る分、【妖精】の方がよっぽど性質が悪いし。




