1681:えびを頼もう。
「いらっしゃいませ」
おや、海鮮の屋台ならこないだのお姉さんみたいにワイルドな感じの店主さんかなと思ったら、綺麗な魔人のお姉さんだ。
和風というかなんというか、西の方の良い所のお嬢様って雰囲気の人だな。
仕事に邪魔だからか長い黒髪は後ろでまとめてあるけど、ほどいたらサラサラのストレートなんだろうな。
……まぁ別に自分で獲りに行く必要は無いんだから、そういう意味では出してる物と店主さんの雰囲気は関係無いか。
普通に考えたらあっちが例外な訳だし。
「えーと…… 四人前とちっこい連中の分を頼みたいんだけど」
「はい、承りました」
一応メニューっぽい物が無いかを確認して、無いから一種類なんだなと判断して注文するアヤメさん。
まぁ看板の時点で「これ一本で行きます」みたいな心意気を感じるお店だけど。
「四名様ですと…… こちらでよろしいでしょうか」
「うわでかっ!? ……あぁ、うん、じゃあそれで」
「はい。それでは焼き上がるまで少々お待ちください」
……あー、うん、確かに海老だけどさ。
ケースから取り出されたもの、一尾が四人前サイズってどういうことなの。
尻尾の部分を掴んでぶら下げるって、それ剥きエビの持ち方じゃないでしょ。
元々大きい伊勢海老みたいな種類ならまだでっかいなーで流せるけど、見た感じは普通の海老っぽい形だし。
いや、大きさは全然普通じゃないけどさ。
頭は取ってあるのに普通の人から見て五十センチはあるんじゃなかろうか。
焼いたときに曲がらない様に金串を刺してるけど、あれただの刺突用の剣じゃない?




