1652:郷に従おう。
「あれ?」
「どうしました?」
「いや、服無いなって」
「あぁ、シルクが回収してて後で部屋に置いといてくれますよ。よく解んないけど寝る時はガウンって拘りがあるみたいで」
「そうなんだ。……なんで?」
「解んないです」
別段困る訳じゃないからスルーしてるけど、実際何なんだろうね。
普通に何かパジャマ的な物でも良いと思うんだけど、シルクの趣味か何かだろうか。
「まぁ郷に入っては、か。寝苦しくも無さそうだしね」
「そこは問題無いですね」
むしろ緩すぎるんじゃって問題が有る訳だけど、そこはまぁ少し気を付ければ済む話だし。
私みたいにはだけたままボケーっと表に顔を出したりしなきゃ良いのだ。
というかそもそも寝苦しいも何も、プレイヤーは転がってログアウトするだけだしね。
時間帯によっては本当に寝ても良いとはいえ、今は平日の深夜な訳だし。
明日がお休みでも無ければ、素直にゲームを止めて寝た方が良いだろう。
「ぴーちゃん様、どうぞこちらへ」
「ぴゃっ」
「お、あれ良いね。こんな感じかな?」
カトリーヌさんが出した櫛付きドライヤーを見て、ロシェさんが自分で作ってみてる。
構造が解り易い物とはいえ、【魔力武具】に慣れてきてるなぁ。
「よーし、クリスちゃんおいでー。……怖くないよー?」
いや、あれは怖がってるんじゃなくて遠慮というか畏れ多いというか、そんな感じなんじゃないかな。
でも温風はこっちが自前で出してるから、さっきみたいに自分でやりますからとも言えないし。
口では言ってないしそもそも自分で出来なかったけど、まぁそれは置いといて。




