1637:ぐりぐり踏まれよう。
うーむ。
にゃんこよりは重いんだろうけど、足の面積が広い分負荷が分散されて丁度良い感じだな。
踵で押さえたり逆に爪先立ちになったりして、重みを集中させる事も出来るしね。
いや、まぁ言うまでも無く本物のにゃんこに踏まれた事なんて無いけどね。
野良の子が近づいてくる筈は無いし、猫カフェにも入れてもらえないし。
「しかしまぁ、お姫様に足踏みマッサージしてもらうなんて普通に考えたら凄く貴重な体験だよね」
「その筈なんですけどね……」
ロシェさんの面白がってる様な言葉に、息を吐き過ぎない様に気を付けつつ溜息交じりで返していく。
その貴重な筈の体験が日常的に襲ってくるから、正直感覚が麻痺しちゃってるよね。
「はっはっは。存分に味わうと良い」
まぁこういう風にアリア様の方から畏まらない様に仕向けてるってのも有るけどさ。
というか遠慮してもゴリ押されるんだけど。
「……ところでレティさんはなんで揉んでるんですかね」
私のお尻に座ったレティさん、左右に手をついてふにふにしてる気がするんだけど。
脱がされて直に座ってるし、下手したらセクハラ扱いされちゃう行為だぞ。
「いえ、そのつもりは無いのですが揺れが……」
「あー……」
どうやら椅子のせいだったらしい。
まぁ確かに、アリア様に踏まれてるのも有って微妙に揺れたり力が入ったりしてるもんなぁ。
……いや、座る場所を考えれば良いだけなのでは?
そこが一番高いのは解るんだけど、もうちょっと上の方に座るとか逆に脚の方に行くとかさ。
「翅を立ててもらっても良いかな?」
「あ、はい」
背中に乗ったままでお願いされたので、必要の無い所を動かさない様に気を付けつつ横に広げていた翅を畳んでいく。
「一応確認するが、触れても良いか?」
「散々触ってますし今更ですよね。大丈夫ですよ」
まぁアリア様も、今更なのも断らないのも解ってるから一応って言ったんだろうけど。
「うむ。では失礼するぞ」
「んっ、おぉぉぅ……」
両方の翅を軽く掴んで、微妙に動かしながら右足で根元の筋肉をぐりぐりほぐされる。
そんなに疲れてはいないと思うんだけど、妙に気持ち良いんだよなぁ……
「ただ見ているというのも何ですので、こういうのはどうでしょう」
「のぁー……」
レティさん、暇になったのかお尻の上から体を倒して、腰の辺りを肘でごりっと揉んできた。
いやうん、気持ちは良いんだけど急に来るとびっくりするよね。
というか本当に今更過ぎるし何度目だって話なんだけど、みんな気軽に人の体に触り過ぎだよね。
……いや、私の方が触っても大丈夫だって空気を作ってるせいか。
作ってるというか、諦めて流されてるせいで発生してるんだけど。
これだけ好き放題させておいていきなりそんなこと言われたら、相手側も嫌なら言おうよ……って感じになるだろうし。
まぁ本当に言ったら普通に謝って止めてくれるだろうけど。
こんなよく解らない状況になってるのも、私が殆ど断らないからだもんね。
……断らないからってこんな事になるのはおかしいだろうとは思うけど。




