1626:だめだって事は認めよう。
「ところで白雪さん」
「ん?」
「もう一つ、お忘れの【吐息】がありますわ」
「……あー、うん、そういえば」
なんだろう、無意識に無かった事にしようとしてたんだろうか。
まぁ言われなかったとしても結局この後思い出す羽目になってそうだけど。
「なになにー?」
「えーと…… こっちも試せないやつだからパネルでね」
「だめなやつかー」
……そうだけどさ。
それ、倫理的にとかそういうニュアンスだよね。
まぁ当たってるんだけど。
【昏睡吐息】のパネルをパッと出し、にゅいっと伸ばしてアリア様へ。
「……ふむ、これも確かに試せんな」
「雪ちゃん何覚えてんの……?」
「こういうのは好きで覚えてるんじゃないんだよ……」
私の意思で習得したみたいに言わないでくれないか、お姉ちゃん。
こっちだってこういう変なのは欲しくないんだよ。
「誘拐犯っぽい……ってのは今更だな」
「相手の自由を奪う手段でしたら、白雪さんは既に山ほど持っていますしね」
……うん、山ほどかはともかくその通りなんだよね。
状態異常の効果を乗せられる粉をばら撒けたりもするし。
「てか雪ちゃん、これどうやって取得したの?」
「あー…… なんていうかその、新しい【妖精魔法】の関係で、かな……」
「またろくでもない生き物っぷりに拍車がかかったのか」
「全く否定出来ないって言うか、多分アヤメさんが思ってるよりも性質が悪いと思う」
「えぇ……」
どのレベルを想定してるかは解らないけど、いくら何でもアレより酷い物をヒント無しで思い付いちゃうのはどうかと思うんだ。
……もっと酷い物を色々思いつきそうな人が私の背後に居るけど、そのカトリーヌさんでさえちょっと引いてたからね。
いやまぁあの人、自分がやられる事以外に関しては結構まともだからってのも有りそうだけど。
自分が発動される側なら嬉々として試してみましょうとか言いそうだし。




