1624:もくもく遮ろう。
蒸したお肉を軽く炙って、塩を振りかけぱくりと一口。
「うむ、美味い」
「いいなー」
「出してもやらないからね?」
「えー」
もう蒸気のブレスは見せたでしょ。
何度も繰り返してたらいつまで経っても終わらないよ。
「で、次は煙ですけど……」
蒸気と違って見え易いし、普通に吹くだけでかなりの量が出る筈だから、少し離れた所へ移動する。
とりあえず害は無さそうだったし、威力の方は気にせずにやってみよう。
「それじゃいくよー」
「はーい、ってうわ多っ」
「どんな肺活量だよ」
いや、広がり方が凄いだけで別に息自体はそんなに吐いてないよ。
まぁ言いたくなるのは解る量の煙だけどさ。
二度目なのに自分でもちょっと驚いてるし。
あ、カトリーヌさんが入っていった。
「ふむ…… 全く見えんな」
「どっちで見てもダメなんだけど、ちょっと濃過ぎない?」
「【妖精】の出す煙幕ですし、妥当なところとも言えますね」
「いくら何でも目立ち過ぎるとは思うけどな」
うん、やっぱり目立つよね。
しかも物が物だから、隠れてたとしても近くに【妖精】が居る事はバレバレだろうし。
とりあえず、中に隠れるのには使えないだろうな。
【妖精】の耐久力だと、砂か何かをパパッと煙に投げ込むだけで簡単に駆除出来ちゃうし。
「っていうかこれ、全然散らないね」
「放っといたらしばらくその場に残り続けるっぽいんだよね」
ある程度ぴーちゃんが頑張った後の、散っていった煙がどうなったかは知らないけど。
まぁ【妖精】には射程距離の問題が有るんだし、こっちの知らない内にちゃんと消えててくれた事だろう。
「エリちゃん、適当に扇いで上の方に散らしといてくれるかな」
「ほいほい」
一応お手伝いの名目で住んでるエリちゃんに、たまには仕事をお願いしてみよう。
別に今回もぴーちゃんにお任せしても良いんだけど、せっかくだしね。
「おーいカトちゃん、危ないよー」
ん?
あぁ、中に入ったまま出てきてないのか。
……ちゃんと聞こえてただろうけど、あの人だからなぁ。
多分うっかりでの事故でも期待してたんだろう。




