1621:普通に話せと言われよう。
「それでは、今日のところはこれで失礼させていただきます」
「うむ、また会おう」
……別にここでって言ってる訳じゃないんだろうけど、どうせ会うのはここなんだろうな。
いや、何も問題は無いんだけどさ。
「ああ、そうそう」
ん?
奥に居るお姉ちゃん達にも頭を下げてたメティコさん、突然何かを思い出した様にこめかみを指でトントン叩いてる。
「恐らく同年代だと思われますし、普通に話していただいて構いませんよ」
「はい? あぁ、それじゃあ…… というか、お互い様です…… だよね」
「ですだよね」
「ですだよね」
「そこー、うるさいよー」
お姉ちゃんとアヤメさん、きっちり聞き取っておちょくってくるんじゃない。
シルクとぴーちゃんけしかけるぞ。
「私の方はこれが素ではあるのですが…… そうですね。なるべく普通に、崩して話すとしましょう」
「あ、そうなんだ」
レティさんやカトリーヌさんと同じタイプの人か。
カトリーヌさんは演技も入ってるみたいだけど、まぁそれは置いておこう。
……そういえばカトリーヌさん、一緒に来てるのに無言だな。
まぁ一応挨拶はしてたっぽいし、多分知り合いなんだろう。
「では改めて。あまりお待たせするのも申し訳ありませんし」
ん?
あ、表への通路に隠密さんが立ってる。
アリア様が言ってた案内の人か。
それでは、ともう一度頭を下げて離れていくメティコさんに、ばいばーいと手を振っておく。
……あのチラッと見えた笑いはあれだね。
顔のせいでの誤解とかじゃなくて、捕まってるパーティーメンバーを檻の外から見て無様な姿を存分に愉しむぞーみたいな、見た目のイメージ通りの笑いだよね。
……うん、あの笑顔の的にならない為にも、調子に乗らない様に気を付けよう。
まぁそれとは関係無く気を付けてるつもりだから、普段通りと言えばそれだけなんだけど。




