1620:同類と出会おう。
おっと、いけない。
理由はどうあれ贈り物を頂く訳だし、目の前に相手が居るんだから直接お礼を言っておくのが筋ってものだろう。
「ちょっとお礼を言いに行ってくるね」
「うん、そうだね。行ってらっしゃい」
お姉ちゃん達に断りを入れてからアリア様達の居るテーブルへ。
……召喚獣の子たちはともかく、カトリーヌさんも付いてくるのか。
いや、まぁ別に良いんだけどさ。
「おや妖精さん、わざわざどうも。メティコと申します」
「あ、はい白雪です……ってこれ聞こえてるのかな」
「ええ、問題無く」
「あぁ、良かった。えっと、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそご迷惑を。門前払いされていて当然の立場ですから気にしないでください」
まぁそれはそうかもしれないけど、そう言われても放っておくのも良くないだろうし。
というか近くに来て判ったけど、このお茶結構お高いやつじゃないの。
なおさらお礼を言う必要が有るよ。
「……ところで白雪さん、少しお顔をよく見せて頂いても?」
「はい? それは構いませんけど……」
私の顔を見たいとは、また物好きな。
何か付いてるって事は無いと思うけど、どうしたんだろうか。
少なくとも物理的に変な事をされる心配は無いし、メティコさんからよく見える様に顔の前まで飛んで行く。
……背後からの視線をすっごい感じるけど、そっちは気にしないでおこう。
「少々失礼な質問になるのですが」
「はい?」
「お顔に補正をかけておいでですか?」
あぁ、確かに人によってはデリケートな部分だな。
現実より綺麗に見える様に調整してたりで、あんまり訊かれたくない人も居るだろうし。
まぁ私はもう開き直ってるというか諦めてるし、別段隠す気も無いから構わないけど。
「あー、はい。これでも可能な限り大人しくなってるんですよ」
「おお、それはそれは」
……なんでそんなに嬉しそうなんだ?
「実は私もそうでしてね」
「……ん?」
「あちらでは、これ以上に悪辣な顔付きをしておりまして」
「あぁ、なるほど……」
こめかみのあたりを指でトントンと叩きながら言うメティコさん。
私が言うのもなんだけど、苦労してるんだろうなぁ……
「似た様な境遇の人に出会えるとは、思ってもいませんでした」
「ですよねぇ……」
こっちとしてもその通りだから、ちょっとしみじみ言ってしまうよ。
少し方向性が違うとはいえ、同じ悩みの人と会うとはね。
「ふむ。何やらよく解らぬが、仲良くやれそうならば何よりだ」
「ええ、本当に」
……うん、話を聞いて理解はしてるつもりなんだけどさ。
ニヤァ……って笑われると裏が有りそうに見えちゃうよね。
まぁその辺は慣れの問題だろうし、そもそもお前が言うなって話なんだけど。
「白雪さん」
「はい?」
「またの機会に、今度はきちんとお邪魔させて頂いても?」
「あ、はい。いつでも来てもらって大丈夫……ですけど、出来ればお一人でお願いしたいですね」
「ええ、勿論です」
飛んできたフレンド申請を承認しつつ、必要そうなお願いをしておく。
流石にアレな人達とセットで来られると、こっちも対応に困るからね。
まぁその「対応」をするのは、多分私じゃなくてモニカさんだろうけど。




