1613:突然の来客を告げられよう。
「それじゃ、解除しますね」
「うむ」
それぞれ十分に離れたのを確認して、一応声をかけてから【神隠し】を解除する。
一瞬アヤメさんの方にも意識を向けそうになったけど、あっちはカトリーヌさんの担当だから私は関係無かったな。
まぁ向けてても何かが起きた訳じゃないんだから別に良いんだけど。
いつも通り、実体化に巻き込まれない様に少し離れて、と。
「ちょっと良いか?」
「おぉぅ…… なんですか?」
この辺で良いかなって静止した途端に、背後からジョージさんが声をかけてきた。
もうちょっと驚かない様に出てこれないものかな。
いや、多分わざとやってるんだろうけどさ。
「姫様に会わせろって奴が表に来てるんだが、中に通しても良いか?」
「え、なんで私に?」
「ここお前の家だろうが」
「そうですけどね」
確かにそれはそうなんだけど、アリア様関係の話ならそっちの都合が優先じゃないかとも思うんだ。
しかも私のって言っても、そのアリア様に貰った場所だしさ。
「断ったらどうなるんです?」
「どうもしないな。待つか出直すかしろっつって放っとくだけだ」
それで良いのか……って思ったけどまぁ一番偉い人だしなぁ。
もう遅いんだし、相手がアリア様じゃなかったら追い払われてても不思議じゃないというか当然か。
ん?
でもアリア様なら、私が嫌って言ったら「ちょっと行ってくる」って感じで表で話しそうな気もするんだけど。
……そういえばさっき、「会いたい」じゃなくて「会わせろ」って言ってたな。
もしかしてあんまり好ましくないタイプの人なんだろうか。
「その『来た人』って誰なんですか?」
「知らんな。新大陸に来てから殆ど街には居なかった連中だ」
この言い方だとやっぱりプレイヤーだよね。
まぁNPCの人がアリア様に「会わせろ」なんて言うとは思えないし、そこは判ってた事だけど。
というか『連中』って、来てるのは複数人なのか……
あぁ、パーティー単位で動いてるならそこまで不思議でも無いか。
「あー…… もしかしてそれ、『勇者様パーティー』かな?」
「ん? 知ってるの?」
お姉ちゃん、何か思い当たる節が有ったらしい。
「いや知ってるわけじゃないんだけどね」
「掲示板では有名な方々ですね。あまり良くない意味で、ですが」
「久しぶりに帰って来てるって書いてあったんだよねぇ」
「えー……」
そのあだ名が付けられる人達、しかも良くない意味でって事はアレだよね。
一人用のゲームみたいに自分達が「主人公」だって思いこんでるタイプの、かなり自己中心的なタイプの人だよね。
もうオンラインゲームって物が出来てからかなりの歴史が有るっていうのに、いつまで経っても絶滅しないものなんだなぁ……




